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中国の生鮮ECプラットフォーム「美菜網」を運営する「雲杉世界信息技術」は1月12日、本社を移転し、従業員の4割をリストラしたことにより「炎上」した。同社は香港への上場準備を進めていると、かねて報じられていた。また、同業の「叮咚買菜(Dingdong Maicai)」も大量解雇を行ったとの噂が飛び交った。
これら2つの出来事は、偶然の一致というわけではないだろう。叮咚買菜のある従業員によれば、「ピーク時と比べ、何万人も減っている」という。しかし同社は、「この情報は真実ではなく、個々の配置転換は通常の組織資源調整の一環である」と回答した。
生鮮EC業界の過去一年を振り返ると、「無秩序な資金投入」、「資金調達」、そして「倒産」というキーワードで語られることが多かった。
米国で上場した「每日優鮮(MissFresh)」の、2021年第1~3四半期における純損失は30億1700万元(約544億円)、同じく米国上場を果たした叮咚買菜の、同期における純損失は53億3300万元(約961億円)だった。
さらに「同程生活(Tongcheng Life)」や「呆蘿蔔(Dailuobo)」などは、資金を調達できずに倒産し、競争から撤退した。
生鮮EC市場が直面している主な問題は、利益の確保が難しいことだという分析がある。客単価が頭打ちになっていることに加え、既存のサプライチェーンモデルでは、さらなるコスト削減が困難なことが原因だという。
当分の間、中国の生鮮EC業界に「真の勝者」が現れることはなさそうだ。
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