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短距離輸送プラットフォームの「貨拉拉(Lalamove)」は、「高瓴資本(Hillhouse Capital)」がリードするシリーズD1、「セコイア・キャピタル(紅杉資本)」がリードするシリーズD2で、総額3億ドル(約332億円)を調達した。コ・インベスターには「鐘鼎資本(Eastern Bell)」と「PV Capital」のほか、「順為資本(Shunwei Capital)」、「襄禾資本(Xiang He Capital)」などが名を連ねる。今回「光源資本(Lighthouse Capital)」が単独で財務顧問を務める。
貨拉拉によると、今シリーズで調達した資金は主に中国大陸、東南アジア、インドでの市場拡大、企業向けのサービスや自動車販売などの新規事業に充てるという。
2013年に香港で設立された同社は、配送車と貨物を結びつけ、政府の提唱する「インターネットプラス」政策に沿ったの短距離輸送サービスを提供している。2014年に中国大陸に進出して以来、大陸と海外市場を並行して成長させる戦略をとっている。
貨拉拉のデータによると、2019年1月時点で、プラットフォームの登録ユーザーは2800万人、登録ドライバーは300万人以上に上り、2018年の取扱量は約200%増加したという。2019年1月に、インドのムンバイでの運営開始に伴い、海外市場では香港や台湾、東南アジア、インドなど9つの国や地域の11都市まで拡大し、近くインドのニューデリーとバンガロールでも運営を開始する予定だ。
新規事業に関しては、企業向けのエンタープライズ版の運用を2017年12月に始めており、現在では5万社以上の企業にサービスを提供している。今後は個別のニーズを満たすためにサービスのカスタマイズもおこなっていく。
もう一つの新規事業である自動車販売に関しては、自動車メーカーと提携して、優待価格で自動車の販売を行い、車の購入者は輸送プラットフォームにドライバーとして登録する。実績として、既に月あたり1000台以上を売り上げている。今年は自動車販売事業を二三級都市にまで拡大し、25都市への進出を計画しているほか、一部で試験的にリース事業も始める予定だ。
以前に短距離輸送サービスが注目を集めたのは、貨拉拉と並ぶ業界大手「快狗打車(KuaiGou DaChe)」が、マーケティング戦略をB2B(卸売業者)からB2Cへとシフトした時だ。しかし、B2Cはまさに貨拉拉の強みである。「快狗打車(KuaiGou DaChe)」は、2017年8月に、東南アジアの短距離輸送プラットフォーム「GoGoVan」と合併し、海外業務を推し進めていた。
国内海外に関わらず、短距離輸送のツートップの争いは今後さらに進むとみられ、貨拉拉が資金を調達したことで競争がさらに激化することが予測される。
貨拉拉の創業者でCEOの周勝馥(Shing)氏によれば、GDPのうち、中国の物流コストが占める割合はこの5年間で18%から14.6%にまで減少しており、物流×インターネットの発展に伴って今後さらに減少していくという。この先、同社は物流の効率化を図り、物流チェーンの各部分でイノベーションのチャンスを探りたいとしている。
高瓴資本創業者でCEOの張磊氏:
「貨拉拉は卓越した創造力と実行力、ローカライズ能力を有しており、中国と東南アジア地区ともに大きな成功を収めている。同社は、技術革新により物流管理の効率化、物流運営コスト削減、ユーザーの課題解決を実現した。産業インターネットの時代には、貨拉拉のような高度な専門技術とビジネスモデルを持つ企業が必要だ。当社は役員として、これからもバックアップしていきたい。」
セコイア・キャピタルのエグゼクティブ・パートナー沈南鵬氏:
「(貨拉拉の創業者でCEO)周勝馥氏は香港育ち。スタンフォード大学を卒業後「インターネットプラス」の波に乗って起業した。香港の新世代の企業家の手本である。貨拉拉は一貫して技術革新やクオリティーの高いサービスに注力しており、それによって競合他社を大きくリードしている。設立当初から国際的な視野を持ち、国内外の発展を同時進行させる策略がめざましい成功をもたらした。中国のグローバル企業を代表するトップ企業になると信じている。」
(翻訳・畠中裕子)
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