アリペイがネット詐欺対策の新サービスを発表、ライバルも味方に

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アリペイ(支付宝)が昨年、詐欺が疑われる取引について決済を延期する機能を発表したのに続き、新たにインターネット金融の安全対策サービスを発表した。

2月26日、アリババ傘下の金融サービス会社アント・フィナンシャル(螞蟻金服)がネット詐欺の撲滅を目指す「天朗計画」年次総会を開催した。アリペイはその席上で、ネット詐欺防止のための新サービス「安全守護」の開始を発表した。ユーザーは取引の際、同機能を通じて互いに安全確認を行うことができる。詐欺などのリスクが存在すると検知された場合、アリペイはユーザーが事前に登録した「守護人(監督者)」に連絡して、取引の安全確認や中止を促す。

アリペイがこれまで行っていた安全対策は、リスク管理システムにAI(人工知能)と生体認証などの技術を導入したもので、高確率で詐欺が疑われる取引を自動識別した場合、当該取引を自動的に遮断していた。

AIで識別を行うにはネット詐欺に関する大量のデータが必要である。アント・フィナンシャルの芮雄文副総裁によると、主なデータソースは三つだ。一つ目はアリペイのクレーム受付プラットフォームに寄せられる各種の案件、二つ目は公安部門がアリペイと共有する関連データ、三つ目はアリペイが行っている独自の調査だ。業界内でも提携パートナーとブラックリストを共有しているという。

こうして集めたデータをもとに、学習能力を持つAIシステムが分析を行い、パターンを構築し、最終的には金融詐欺の識別能力を随時アップグレードすることが可能となる。

アリペイのリスク管理システム「AlphaRisk」は現在すでに5代目だ。アリペイの提供するデータでは、不正使用による被害発生率は限りなくゼロに近い0.0000005%まで減少し、世界の大手決済機関の0.002%よりはるかに低いという。

現在までに、アリペイはすでに1500の大手加盟店とセキュリティに関するパートナーシップを結んでおり、アリペイが蓄積する過去の不正案件データを共有している。

アリペイは現在、決済の安全に関する経験と技術を海外に広めようとしている。対象は、アリペイが海外事業を展開する香港や東南アジアなどが中心だ。現地の提携パートナーと共同で構築するデジタルウォレットにノウハウを導入するためだ。

芮雄文氏はまた、「ビジネス上ではインターネット関連各社はライバルであるかもしれない。しかし我々はネットセキュリティにおいて競争関係には無い、ネット詐欺などのリスクと戦う上ではライバルではなく互いに協力し合うパートナーなのである」と語った。
(翻訳:山口幸子)

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