中国発の画像生成AI「TIAMAT」が今年2度目の資金調達 ウェブ版もサービス開始

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中国のAI画像生成プラットフォーム「TIAMAT」がこのほど、シリーズA+で数百万ドル(数億円)を調達したことがわかった。線性資本(Linear Capital)が出資を主導し、既存株主のDCMベンチャーズと緑洲資本(Vitalbridge)も出資した。今年2月にシリーズAで数千万ドル(数十億円)を調達してから、わずか3カ月で新たな資金調達に成功した。画像生成AIが中国のAIGC(AIコンテンツ生成)分野で急成長していることは明らかだ。

TIAMATは2021年に設立された。同社が開発した中国初のクロスモーダル生成モデル「Morpher VLM(Visual-Language Model、視覚言語モデリング)」は、画像のマルチスケール情報のモデリング能力を向上させ、ユーザーのプロンプト入力に対する理解力も進歩を遂げた。

同社は今年に入ってから自社技術の商品化に力を入れている。現在海外で最も流行しているAI画像生成サービス「Midjourney(ミッドジャーニー)」が米チャットサービス「Discord(ディスコード)」を通じて利用するのと同様に、TIAMATもコミュニティサービスからスタートしており、コミュニティの運営を通して常にモデルを最適化している。目下、ウェブブラウザで利用できるサービスのテスト版が公開されており、サードパーティが行った比較調査ではユーザーから高い評価を獲得している。

以下の画像は中国最大のデザイナーコミュニティ「UISDC」が国内外で主流となっているAI画像生成ツールを評価したもので、そのうちIT大手バイドゥ(百度)が手掛ける「文心一格」とTIAMATが中国代表となっている。

写真:UISDC
写真:UISDC

昨年の冬頃はまだ、画像生成AIは娯楽用という側面が強かった。多くの人がさまざまなツールを利用してイラストやアート作品、アニメキャラクターなどを楽しく作成し、このような低コストでほとんど労力のいらない制作方式も比較的大らかに受け入れられていた。

しかし今年3月末にMidjourneyが最新版「V5」を発表し、写真並みの風景画を生成できるようになると、画像生成AIの競争はますます激しさを増してきた。ユーザーがAIに対して好奇心や疑いを抱いていた段階は過ぎ、今では字面と実際の意味が異なるようなワードを使ってAIを「試す」ようにもなっているという。

今年、画像生成AIの勝負どころは、よりバランスの取れた画風や表現力、スピーディーな語義の理解と改良など、制御性の高い表現力の向上へと変わったといえるだろう。

TIAMATの創業チームは過去に、開発の過程では制御性を重視していると明らかにしている。つまり、人が操作でき、人の期待に添うスタイルで大規模言語モデルを利用また活用するためにどうすべきかを考えるということだ。これはユーザーのニーズと一致するだけでなく、中国市場で広く注目を集めている企業向けビジネスへの応用とも密接に関わってくる。

現在は日用消費財、広告、ファッション、デザインなどの業界で多くの中小企業顧客を獲得している。オーダーメイドや業界を超えた提携のニーズがあるため、より多くの業界のニーズを収集し、ビジネスシーンにある具体的なペインポイントを深く理解できている。

今後、開発能力や商品体系に磨きをかけ、中国国内の画像生成AIが「娯楽」からデジタル経済の一端を担う存在になるよう関わっていくという。

(翻訳・山口幸子)

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