ZOOMが中国で使用禁止 超低遅延が売りにするWEB会議ツールの「直面」がその代わりになるのか

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ZOOMが中国で使用禁止 超低遅延が売りにするWEB会議ツールの「直面」がその代わりになるのか

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Web会議アプリZOOMが、中国規制当局の要請により中国国内で使用禁止となった。それを受けて中国のユーザーは次のオンラインビデオチャットソフトを探し始めている。

その中で、超低遅延音声映像インタラクション技術を手掛ける「清流鼎点(PowerInfo)」が2018年から高解像度、なめらかな映像、低遅延を売りにした有料ビデオチャットツールの開発を進めており、その完成品であるWeb会議アプリ「直面」の正式版が11月に公開される予定だ。ユーザーはアプリを開いてビデオ会議に参加することができ、現在は5種類の会議タイプと複数のツールが提供されており、オンライン教育、コンサルティング、複数人による会議等のニーズに応えている。

清流鼎点の創業者兼 CEOの要文涛氏は、ビデオ通話機能が登場してからも、高遅延、画面のぼやけや再生の途切れなどの問題が各主流SNSプラットフォームや専門ビデオチャットソフトにいまなお存在していると語った。

画像提供元:直面アプリ

9月13日、直面アプリのバージョン1.1.2はグレースケールテストの段階に入った。同アプリはアンドロイドとiOSに対応しており、まもなくWindows PC版、Mac版、OTT(オーバー・ザ・トップ)テレビ版などが提供される。オンラインでの音楽活動、教育、心理カウンセリング、ビデオ会議などへの活用が期待される。

直面アプリを体験した音楽療法士は、「これまでWeChatのビデオチャット等の製品を使用していたが、通信遅延のため相手の反応を瞬時にキャプチャーして治療方法を迅速に決定するのが大変難しかった。またコミュニケーションをとる際、双方の音声遅延により発言が重なるという状況がしばしば発生していた。直面アプリではこの2つの問題は起きない」と語っている。

画像提供元:直面アプリ

清流鼎点は長期にわたって、音声映像のコアテクノロジーの開発に携わってきた。これまでに発表した超低遅延インタラクション技術によって、現在のオンラインビデオソフトでは実現が難しいとされるオンライン合唱、楽器合奏が可能になっている。具体的に、直面アプリが持つコアコンピタンスは以下の通りだ。

1. 超低遅延通信によるリアルタイムインタラクションの実現。音声映像の端末間伝送遅延が40-50msにまで低減している。これは現在主流のビデオ通信ソフトウェアにおける遅延の5分の1であり、オンラインのバンド演奏、オンラインの合同練習、音楽教育など超低遅延が要求されるシーンのニーズを満たすことができる。

2. 同時に複数のネットワーク(WiFiと4Gなど)を利用してデータを伝送できるMulti-Pathテクノロジー。この技術により単独ネットワークによる伝送の不安定性を低減させて音声ビデオ通信体験を高めている。

3. 中・弱度ネットワークにおける動画最適化技術。AXテクノロジー、SVCエンコードテクノロジー、MP伝送テクノロジー等によりパケット損失に耐性の強い映像伝送が可能になり、中・弱度ネットワークにおける音声ビデオ通信体験をより向上させる。

4. ベースのトランスポート層プロトコルからアプリケーション層まで、直面アプリはWebRTC、QUICなどに頼らない完全に独立した知的財産権をもつ。

要文涛氏は、直面の位置づけはソーシャルプラットフォームではなく、ツールアプリだとしている。そのため、使用するシーンに応じて機能と価格が変更する、時間単位による課金というビジネスモデルを採用しているという。例えば2人の会議には超低遅延とマルチ視角機能サービスは不要なので、料金はオンラインのバンド演奏よりも安価となる。バンド演奏はより高度の低遅延技術とより多くのカメラアングルが必要だからだ。「現在の定価はおよそ 2-5 元(約30~75円)/時だ。しかし私たちはユーザーの反応を見て調整を続けていく。全体的な使用状況から見て、年間の利用料金はZOOMのおよそ3分の1となる」と要氏は語る。

直面のチームは現在すでに10数人となっている。現在の段階ではまだ清流鼎点に属しているが、将来は分社化して資金調達を行う予定だ。
(翻訳・桃紅柳緑)

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