中国新興EVの販売トップ奪還、小鵬汽車CEO「自動車AI革命で世界市場に挑む」

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中国の電気自動車(EV)メーカー「小鵬汽車(Xpeng Motors)」の何小鵬会長兼CEOは、年頭書簡で今後の成長戦略を展望し、「AI技術が今後10年で自動車業界をけん引し、革命的な変革を引き起こす」と強調した。また、「グローバルなAI自動車企業」を目指すと表明した。

逆襲と成長

小鵬汽車は2025年1月の新車販売(納車)台数で、前年同月比約3.7倍の3万350台に達し、新興EVメーカーの月間販売台数で首位を奪還し、3カ月連続で3万台を超えた。

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何会長は、2024年を「血の海を泳ぐような一年だ」と表現していたが、10~12月期に反転攻勢に出る成長を実現した。 2つの新型車「MONA M03」と「P7+」の販売台数はいずれも過去最高を記録し、それぞれ1万5000台と2万台に達した。 この勢いで、小鵬汽車の時価総額は1000億香港ドル(約1兆9300億円)の水準に回復した。

2022年から2024年にかけて、小鵬汽車の販売台数は12万台、14万1600台、19万100台と推移し、増加ペースは緩やかだった。 一方で、2025年は35万台以上を目標とし、前年比80%以上の急成長を見込んでいる。

今後3年間の経営戦略

何会長は、2025~2027年を「最も競争が激しく、最大のチャンスとなる3年間」と位置づけ、コア戦略として製品ラインナップの強化、差別化、グローバル展開を3本柱に掲げた。

2025年は「スーパーバージョン」の新モデルを初投入するなど、複数の新型車や改良モデルを発表すると計画している。公開情報によると、小鵬汽車の新型車の「G7」は、初のレンジエクステンダーEV(REEV)のモデルは2025年下半期に発売される予定だ。

また、グローバル展開も加速させる方針だ。小鵬汽車はこれまでに30カ国へ進出し、2024年には欧州市場で1万台の販売を達成した初の中国の新興EVブランドとなっている。2025年には海外展開を60以上の国・地域に拡大し、EV分野で中国のトップ輸出企業を目指すという。

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AIが引き起こす変革

何会長は、AI技術が今後10年間で自動車産業に大きな変化をもたらすと指摘した。 特に、中国のAI企業「DeepSeek」が、コストを抑えながらOpenAIに匹敵する大規模AIモデルを開発したことに触れ、 小鵬汽車もAI技術を活用して高度な自動運転技術の開発を推進すると表明した。2025年までに、限定された環境ですべての操作をシステムに任せるレベル3の自動運転を実現することを目標としている。

2024年の中国における先進運転支援システム(ADAS)搭載車の普及率は全体の10%を超えた。何会長は、小鵬汽車はすでにハードウェア、半導体チップ、ソフトウェア、AIモデルなどの開発でを進めており、高度な自動運転機能を提供する基盤を整えているとし、実際「P7+」の購入者の多くは、自動運転技術を評価して選んだという。

さらに、何会長は「AI自動車は、iPhone 4がスマートフォン市場に革新をもたらした時と同じ転換点にある」と述べ、急速な技術革新を予測した。

組織と人事戦略

今後の課題に対応するため、何会長は組織運営と人事戦略の強化にも言及した。これから全世界で6000人以上の新規採用を予定し、優秀なベテランも再加入させる計画だ。

また、中核人材を育てる「千将計画」と、新たな才能を発掘・育成する「探検家計画」を実施し、経営幹部の育成強化と社内の活性化を図る。

戦略の実行面では、短期間での機動的な微調整と目標管理のOKR(Objectives and Key Results)を連動させることで、目標達成を確実にすると述べた。さらに、強力な競合がひしめく厳しい市場環境の中で競争力を維持するためには、製品のコスト削減、品質向上、技術の細部に至るまでの改善が不可欠であると強調した。

最後に何会長は、「集中力、粘り強さ、忍耐力、そして『信じる力』を信じることで、より大きな成功を収めることができる」と語り、将来への確固たる信念を全社員に示した。

*1香港ドル=約19円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

 

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