触覚センサー「PaXini」、香港上場か。評価額2400億円、BYDや京東も導入 

多次元触覚センサー技術を強みとする、深圳発の人型ロボット(ヒューマノイド)スタートアップ「帕西尼感知科技(PaXini Tech)」が、香港での新規株式公開(IPO)に向けた準備を進めている。 米ブルームバーグは6月3日、関係者の話として、PaXiniがすでに投資銀行との協議に入っており、今後数カ月以内にも香港証券取引所に上場申請を行う計画である。ただし、現時点でIPOの調達規模や時期などについての詳細は未定であるという。

PaXiniは2021年に設立され、創業者は世界初の人型ロボットが誕生した早稲田大学ロボット研究室の出身だ。同社は独自の触覚技術を強みとしており、世界初となる異種多核アレイ型ソフト・ハードウエアアーキテクチャ「HAPTA(Hetero-Array Probing Tactile Architecture)」を搭載した多次元触覚処理ユニット「ITPU(Intelligent Tactile Processing Unit)」をいち早く発表した。さらに、マルチモーダル知覚モデルと最先端の人工知能(AI)アルゴリズムに基づく人型ロボット「TORA-ONE」や、触覚を備えたロボットハンド「DexH」シリーズを発表してきた。

PaXiniは現在、センサーの中核部品からロボット本体、データ収集、販売に至るまでの一連の事業プロセスを構築している。すでに同社の量産化・商用化されており、電気自動車大手の比亜迪(BYD)や電子商取引(EC)大手の京東集団(JDドットコム)などが、自動車の生産ライン、物流の仕分け、3C(コンピューター、通信機器、家電)製造などの現場に導入している。

早大OB起業のロボット企業PaXini、最大株主はBYD。世界を席巻するセンサー技術で日本市場攻略へ

PaXiniは今年3月初めに、シリーズBで10億元(約240億円)を超える資金を調達し、評価額は100億元(約2400億円)を突破している。

データコンプライアンスの面では、PaXiniの直近の動きが注目を集めている。同社によると、天津で5月28日~31日に開催された「2026年世界インテリジェント産業博覧会」の期間中、同社が主導する中国初の「エンボディドAIデータの越境移転」プロジェクトが正式に始動した。同社は現在、中国国内で唯一エンボディドAIデータの海外移転事業の展開を認められた企業であり、政府部門との連携の下、データの「収集・加工・認証・海外移転」という全プロセスのコンプライアンス対応ルートを確立している。

中国国内には極めて豊富な現場データと生産能力があり、海外でもこうした高品質なデータへの需要は非常に高い。しかし、データの越境流通に関する法規制への適合、安全性評価、標準規格の未整備により、これまで需給のマッチングはほぼ停滞状態にある。PaXiniは、自社のオムニモーダルデータ収集工場を足がかりに、大規模なデータ生産能力とコンプライアンスに準拠した海外展開ルートを主要な競争優位性としている。

身体性AIのデータ不足に挑む。中国「PaXini」が巨大データ基盤を公開、クラウド大手3社と提携

*1元=約24円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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