バイトダンスが金融サービスを強化 傘下で新たに個人向け小口融資商品をリリース 

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バイトダンス(字節跳動)傘下のニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」が「備用金(Beiyongjin)」という個人向けの小口融資商品をリリースした。サービスのキャッチコピーは「気軽に借りて、いつでも使える」だ。

これに先立ち7月15日、バイトダンスが深圳において「深圳市中融小額貸款股份有限公司」という企業名で、オンライン小口融資のライセンスを取得したことが報じられている。つまり、バイトダンスはラインセンスを持つサードパーティ機関を通さずとも、融資商品への送客に責任を持てば、自ら小口融資プラットフォームを運営出来ることになった。

備用金のミニプログラムは今日頭条のアプリ内検索で見つけられる。ミニプログラムの開発元は「北京未来視界科技有限公司」だが、企業情報サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、同社の実質的支配者はバイトダンスのグローバルCEO張一鳴氏だと推定される。

筆者がこのサービスを試したみたところ、備用金の借入限度額は500元(約7500円)で、既存の限度額の範囲内でリボルビングローン(一定の与信枠の範囲内において、自由に反復借入が可能)が利用可能だ。早ければ申請から5分で入金があり、繰り返し使うことで借入限度額が上がるようになっている。

返済期限は7日間で、期限を過ぎて返済が滞った場合は、備用金上の信用力に影響し延滞金が発生する。しかし、この商品の利用が個人の信用情報と連携しているかどうかは明確になっていない。

実際のところ、備用金のような小口融資商品は特に目新しいものではなく、アリババグループ傘下の決済サービス「アリペイ(支付宝)」も2018年に同様の商品をリリースしており、両者の機能と位置付けはよく似ている。両者ともに初回の借り入れは手数料無料で、その後は一定の手数料を払って借り入れが可能となる。2回目以降の借入手数料は今日頭条の方が若干低く設定されている。アプリの操作画面によると1回の借り入れごとに今日頭条は1.96元(約29円)、アリペイは最大2.29元(約34円)の手数料がかかる。システムによる評価で限度額と手数料は変動する。

今日頭条はなぜこのような短期の小口融資商品をリリースしたのだろうか。このような商品は限度額も小さく、借入期間も短いため、ユーザ側の担保は不要で、換算すると総合的な年利率は非常に高い。借入手数料は1~2元(約15~30円)で済むため、急なお金が必要なユーザーを取り込み、「塵も積もれば山となる」方式の収益モデルを形成する。

さらにこのような小口融資商品は、すでにバイトダンスがリリースしている金融商品「放心借」と補完的な役割を果たし(放心借は借入限度額が比較的大きい)、ユーザーの異なる需要を満たすことでより多くのユーザーを獲得できる。小口融資サービスを通じて、より利益率の高い小口融資商品の方向性も探れる。バイトダンスはこれまでに放心借などをリリースしてはいるが、実質的な融資商品を提供しているわけではなく、利益もかなり低く設定されている。今回の備用金からは、バイトダンスが小口融資の分野で方向性を模索していることが見て取れる。

ここ数年、バイトダンスは金融分野での投資を増やしており、小口融資、株取引などに関連した商品をリリースしている。2018年にリリースした放心借の後にも、「華夏保険(Hua Insurance)と提携した定期生命保険「頭号保」、株式取引「海豚股票」、キャッシングサービス「満分」などを相次いで発表している。さらに同社は分割払い、クレジット関連の商標登録もしており、今後さらに決済関連のサービスを世に出すことも予測される。バイトダンスはより整った金融サービス体系を作ろうとしている。

奇跡的な成長を遂げてきたバイトダンスの次なる成長分野は金融になるだろうか。

作者:Tech星球(Wechat ID:tech 618)、陳橋輝

(翻訳・普洱)

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