AIで購入者の体調を分析、ビタミンサプリをカスタムメイド ヘルスケアテック「LemonBox」が数億円を調達

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カスタムメイドのビタミンサプリ販売を手掛けるDTC(Direct To Consumer)ブランド「LemonBox」がプレシリーズAで数百万ドル(数億円)を調達した。リード・インベスターは「熊猫資本(Panda Capital)」、コ・インベスターは「Yコンビネータ」「衆麟資本(Zhonglin Capital)」。これに先立ちLemonBoxは、シードラウンドでもYコンビネータから資金を調達している。

LemonBoxは創業者の翁斌斌氏が、実体験からヒントを得て設立した企業だ。同氏はかつて米国に8年滞在していた頃、中国へ帰国するたびに家族や友人のために様々なビタミンサプリを購入していた。

代理購入の依頼は需要の存在を意味する。中国国内のビタミンサプリ市場にはメジャーブランドの存在が皆無に等しい状態だった。業界の課題や消費者の悩みは誰の目にも明らかな上、中国国内のヘルスケア製品は玉石混交で、過度なマーケティングと虚偽広告が溢れていた。消費者にとっては、どのような製品を選ぶべきかを判断するのに十分な情報が足りなかった。

「カスタムメイドが今のビタミンサプリのトレンドだ」と翁氏は語る。LemonBoxではWeChat(微信)のミニプログラムを利用してユーザーが自ら健康評価を記入し、そこからユーザーの生活習慣や食習慣に関する情報を収集して分析し、個別の健康レポートを作成する。レポートに基づいて、個人の体質に合わせ摂取すべきサプリ、摂取すべきでないサプリについてアドバイスを行い、必要なサプリメントを提供する。

健康評価フォームの内容は、LemonBoxのチームが繰り返しアルゴリズムのバージョンアップとトレーニングを行っている。アルゴリズムはユーザーが提供した情報に一定の重みづけを行い、バーチャル栄養士として専門的なアドバイスを行う。アルゴリズムが目指す最終的な目標は「限りなく本物に近いAI栄養士を作ること」だ。

LemonBoxは自然言語処理などAI技術を利用して、栄養健康分野の概念を抽象化し、栄養学のナレッジマップを作成した。そこには2000種類以上の一般的な食材とその栄養成分、3000種類以上の病気と症状、4000種類以上の病気や体調に対する栄養アドバイスなどが整理されており、頻繁に更新が行われている。

同社が深センに置く保税倉庫

現在、すでに100万人以上のユーザーがLemonBoxのミニプログラムを利用して健康評価を行っている。将来的にはユーザーからアップロードされたDNAレポート、健康診断レポートなどのデータが追加されれば、データがより完全なものとなり、より正確なアドバイスが提供できるようになる。

翁氏は、LemonBoxは消費財企業にはとどまらず、データ駆動型のテクノロジー企業だと語る。

LemonBoxアルゴリズムは、カスタムメイドに対するユーザーニーズに応えるものだ。では供給元であるLemonBoxはどのように製品の種類を増やし、それをユーザーニーズに適応させていくのか。

LemonBoxは現在30を超えるSKUを持っており、主力のビタミンサプリ以外にいくつかの新製品も開発中だ。シリコンバレーと深圳に二つの提携工場があり、原材料は製品研究開発チームが世界中から集めている。翁氏は「私たちは着実に前進する企業だ。着実にSKUを増やし、ユーザーの信頼を積み重ねていく」と述べている。

新製品の開発も注力しいる(栄養補給キャンディ)

WeChat(微信)のミニプログラムがLemonBoxの主要チャネルで、「天猫国際(Tmall Global)」のショップもまもなくローンチする。米国から中国へ戻った後、翁氏は中国特有のECビジネスのルールとトラフィックの扱い方を学ばなければならなかった。例えば海外にはDTCブランドの土壌があり、ブランド自身のサイトやアプリも受け入れられやすいが、中国でECを手掛けるには、淘宝(タオバオ)、天猫(Tmall)、京東(JD.com)、「抖音(Douyin、海外版「TikTok」)」、WeChatなどトラフィックの大きいプラットフォームへの出店を避けては通れない。

LemonBoxのミニプログラムは2019年初めにローンチした。トラフィックの半分は広告などを介さない直接アクセスで、過去1年間で数千万元(数億円)の売り上げを達成した。2020年にはWeChatのエコシステムとの結び付きを深め、例えばWeChat上の話題に付けられた「#カスタムメイドビタミン」というタグをクリックすると、LemonBoxの公式アカウント、ミニプログラム、モーメンツなどを見ることができる。その一方で、チャネル拡大も図っている。天猫国際ではショップのローンチと同時に9つの製品を販売開始する。完全カスタムメイド以外にセミカスタムメイドの製品も扱う計画だ。

翁氏によると「私たちの主力はカスタムメイドで、そのために戦略的な配置を行っている」とのこと。過去数年間、LemonBoxはサプライチェーンと製品のアップデートを行い、資金、製品、技術などの面で十分な「蓄え」を準備し、市場競争に対応してきた。

熊猫資本の創設パートナー、李論氏はLemonBoxについて「私たちはユーザーに合わせたカスタムメイドを手掛けるヘルスケア企業に注目してきた。ヘルスケア製品は個別のユーザーに合わせて提供されるべきで、同じ製品がどのユーザーにも効果的な訳ではないという共通認識がある。LemonBoxはこの分野のビジネスを手掛ける企業で、同社の製品は価格に優れており手軽だ。これは同社がサプライチェーンの構築とトラフィックへの投入効率を重視してきたからだ。私たちが消費財企業に投資する際、2つの点を重視している。1つ目は市場の新規需要が大きいかどうかで、これが利益の幅を決定する。2つ目はビジネスモデルが革新的かどうかで、これはどれくらい市場シェアを取れるかに影響する。

LemonBoxはこの2点からも優良な企業だ。ヘルスケア業界の市場規模は大きく、過去6年間に渡って2桁の成長率を維持しており、2021年には3300億元(約5兆2500億円)を突破する見込みだ。また科学に基づいて合理的に栄養を摂取するという考え方はZ世代の若者の消費習慣にマッチしている」と述べている。(翻訳・普洱)

 

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