国際物流DX 「運去哪」、1億ドル調達でユニコーンに

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ワンストップ型の国際物流オンラインサービスプラットフォーム「運去哪(YunQuNa)」がシリーズD1で1億ドル(約110億円)を調達した。同社の創業者兼CEOの周詩豪氏は、「今回の資金調達で、評価額はユニコーンクラス(10億ドル)に達するだろう」と語った。同社は今後、海外発送先の規模拡大を狙うとしている。

国際物流の工程は3フェーズに分かれる。第1フェーズは出荷前の荷物の保険、引き取り、道路輸送、湾岸運送、倉庫管理、通関申告、ブッキングなど。第2フェーズは海運や空運。第3フェーズは発送先への到着後の荷受け、通関手続き、倉庫保管、配送などである。

フォワーダー企業は上述の輸送に伴うさまざまな業務を請け負う。しかし従来から時間の無駄、不透明な情報、港での狭い使用面積、物流追跡システムの不備、繁忙期における船会社の荷受け拒否などさまざまなトラブルが発生してきた。

運去哪に代表される国際物流のサービスプラットフォームは上述のフェーズすべてをオンラインで一括管理する。すでに中国の主要な港と、世界の95%以上の主要航路をカバーしている。運去哪では価格の透明性が確保されており、物流の進捗状況のリアルタイム照会やリスクに関するアラートも事前に受け取れる。

同社は中国の「中遠海運集運(COSCO SHIPPING Lines)」、デンマークの「Maersk」イスラエルの「ZIM」といった世界大手の海運会社十数社と協力し、船と船内スペース、トレーラーを確保する新しいサービスを打ち出した。また、運去哪プラットフォーム上でトレーラー、通関申告、倉庫、仕向地での通関業務などのサービスと企業を結び付け、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を通じた効率的管理を実現し、顧客にエンド・ツー・エンドのサービス提供が可能となっている。

同社はこの他、「物流管家」と呼ばれるSaaS(サービス・アズ・ア・プラットフォーム)システムを中小の貿易会社に無償提供している。同システムを通じて企業は発注書、通関申告書の作成やAIによる見積もり作成、貨物追跡といったサービスを利用できる。同社がサービスを提供してきた顧客は輸出企業、越境EC企業などを含め、2万を超える。国際物流の輸送費用と船積みの諸手配にかかるサービス料が同社の主な収入源だ。

周氏は「国際物流のサービスプラットフォームの市場は未開拓。DXがさらに進めば、大きな変革期を迎えると考えている。この市場のリーディングカンパニーである当社には3つの強みがある。1つ目は確実性だ。船会社との協力により、船や船内スペース確保を保証し、荷物を確実に届けるサービス展開が可能となった。2つ目は利便性だ。顧客は素早く輸送価格を照会でき、リアルタイムで貨物追跡が可能。効率的な物流管理を実現した。3つ目は国際物流のオペレーションだ。当社の物流プロセスは、元々人海戦術で行っていた作業をメール識別、OCR(文字認識)、NLP(自然言語処理)、RPA(ロボットによる業務自動化)、業界ナレッジグラフなどのシステムを組み合わせて自動化させたものだ。国際物流のオペレーションを標準化させることで、作業効率は数十倍アップし、作業ミスも大幅に減少した」と語った。

運去哪提供のデータによると、同社には1000人近い従業員がおり、今年の取扱貨物量は70万TEU(20フィートコンテナ換算)に達する見込みだという。輸送サービスと輸送ネットワークサービスの拡大が売り上げ増につながった。

現在、国際物流のDXを推進する企業は増加している。国際物流大手の「中外運(SINOTRANS CONTAINER LINES)」もDXによりサービスの透明性を高め、貿易会社のコストダウン、効率アップを実現している。国際物流関連のSaaSサービスを手がける「海管家(Yunlsp)」や「沃行(WallTech)」などはSaaSシステムでフォワーダーの内部マネジメントの効率アップに貢献する。その他、「鴨嘴獣(Duckbill)」などは顧客とコンテナ輸送トラックのマッチングを行うプラットフォームを立ち上げている。

(翻訳:Qiunai)

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