インドのデリバリー競争にシートリップも参戦か
「India Times」によると、CtripがインドのZomatoへの出資を計画中で、両社はすでに協議を開始しているとのこと(Zomatoは、デリバリー・サービスの餓了麼(ウーラマ)のインド版と称されている)。Ctripの他にアント・フィナンシャルなど複数の投資家がZomatoに総額4億ドルを出資し、出資後の企業価値は18〜20億ドルになる見込み。業界筋によると、ZomatoとのCtripの協議は最終段階で、出資額は1億ドル程度になるとのこと。このディールは2週間以内に完了する予定だという。
最近、Zomatoとその競争相手であるSwiggyが中国のニュースを騒がせることが多い。Swiggyの方は、インド版の美団(メイトゥアン)と称される。インドの2社が中国の関心を引きつけているのは、その背後にいるのが中国のBATだからである。
【Swiggyの後ろ盾:テンセント】
Swiggyのこれまでのファイナンスを見ると、2017年5月から、Naspersなどテンセント系の投資家が頻繁に参加していることが分かる。

出典:Jing Data
Naspersは、2018年3月にテンセント株を100億ドルで売却し、持株比率を33%から31%に引き下げたが、依然としてテンセントの最大株主である。
Swiggyには、美団点評系の龍珠キャピタルなど美団点評系の投資家がいるが、美団点評の主要な投資家はテンセントである。美団点評は2018年2月に初めてSwiggyに投資し、6月には2億1,000万ドルの投資にも加わっている。
今回、Swiggyは5億〜7億ドルを調達する計画で、テンセントはその大部分を引き受けたい意向だが、交渉はまだ成立していない。資金調達後、Swiggyの価値は25〜30億ドルに上昇するとみられる。
なお、以前、インドを拠点とする電子商取引大手のFlipkartと日本のソフトバンクグループがSwiggyに投資しようしたが、合意に達せず、Zomatoに方向転換したという報道がある。
【Zomatoの後ろ盾:アリババ+百度】
テンセントがインドのデリバリー市場に触手を伸ばすなら、アリババも黙って見てはいない。そしてアリババの視界に入ったのがZomatoである。
2018年2月、アリババはZomatoを10億ドル以上と評価し、1億5,000万ドルを出資した。同時に、アント・ファイナンシャルは、Zomatoの5,000万ドルの株式を取得し、保有する株式のシェアを26%とした。
8月には、アリババの大株主であるソフトバング・グループも参戦。インドのメディアMintによると、Softbank Vision Fundが、Zomatoに5億ドルを出資する予定だという。

出典:Jing Data
そこに新たな参入者が現れた – – Ctripである。「百度(バイドゥ)」ラベルがはっきりとは見えないCtripだが、Ctripの財務報告によれば、2018年3月31日現在、バイドゥはCtrip株式の19.3%保有し最大株主となっている。
Ctripによるインドのデリバリー企業への投資は、旅行ビジネスとは相容れないようにも見えるが、実際には、Ctripはすでにケータリング・ビジネスを運営している。 2016年の終わりに、Ctripの会長梁建章(リャン・ジェンジャン)がケータリング・ブランド「Ctrip Food Forest」を開始しているのだ。
【インド市場の背景に中国デリバリー大戦】
インドで中国資本が活発に動いている背景には、中国のデリバリー市場が泥沼化しているという事情がある。
現在、美団点評が上場準備中だが、ライバルの餓了麼もアリババの新小売ビジネスと手を組んで事業領域を拡大している。
つまり、美団点評と餓了麼の競争はテンセントとアリババの競争だ。市場シェア争奪戦は激しさを増し、市場における地位を固めるために、中国の巨人達は投資先を拡大し続けようとしている。
テンセントとアリババの野望は、中国市場を獲得することだけでなく、世界の市場全てを獲得することだろう。インドでの戦いは、そのための第一歩でもある。
Swiggyは、バングラデシュ、デリー、ムンバイ、プネー、ハイデラバード、コルカタなど15都市で事業を展開中。昨年12月にはバングラデシュに本拠を置くアジア食品のスタートアップ会社である48Eastも買収した。一方、Zomatoは、世界24カ国でサービスを提供しており、東南アジア、インド、ニュージーランド、オーストラリアなど海外市場における事業拡大を積極的に進めている。
近い将来、世界中のデリバリー市場で、中国企業同士の競争がさらに見られるだろう。