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中国の飲食業界ではコーヒーやミルクティーなどの飲料やケーキなどの軽食類が脚光を浴びているが、中国伝統のスイーツや軽食を看板メニューに掲げて若者の支持を受ける新興企業も目につくようになった。
今回取り上げる「五条人糖水舗(Ng-Tiu-Yan Tong Sui)」もその一つ。伝統的な食文化が色濃く残る香港のスイーツに特化して急成長中の企業だ。
香港や広東省以外ではほとんど知られていない伝統レシピに着目し、全国に展開。薬膳を取り入れたデザートスープ「糖水」を筆頭に、お汁粉、タピオカ、ミルクプリンなどを8~18元(約130~290円)の価格帯で提供している。レトロ回帰がトレンドとなっている若年層の時流に乗ったかたちだ。
2017年6月、福建省アモイ市に初出店。2018年初めからフランチャイズ展開をスタートし、現在は全国に130店を構える。
五条人の創業者・張永強氏は、香港や広東省で暮らした経験から、地元の人々が伝統的な薬膳レシピを通じて日常の健康管理を行っている点に着目。一方で、他の地方にはこうした食習慣がほとんど広まっていないところに商機を見出した。
ただし、どんなに身体にやさしい食品でも、味が悪ければ意味がない。五条人は、伝統に現代的要素をプラスした商品や若者の嗜好にマッチするレシピの開発に注力。「SNS映えする」など、インターネットで拡散する要素も重視した。店舗設計には「香港風」「レトロ調」の要素をふんだんに取り入れている。
現在、1店舗あたりの来店客数は1日平均100~200組。平均売上高は月間10~30万元だ。売上高の7割超がイートインによるものだという。品質の安定や均一化のため、商品はセントラルキッチンで製造した半完成品を各店舗へ納入している。
「飲食業参入の障壁は低い。ただし、誰も見出していないニッチな商品を見つけられるか、先行者になれるかどうかが勝敗を分ける」と張永強氏は語る。同氏が率いる五条人は今後、「軽食で食事を済ませる」という新たな消費動向を睨みながら、全国各地のご当地グルメを発掘し、全国へ広めていく方針だ。
(翻訳・愛玉)
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