火災や爆発を防げるか、中国政府も後押しする消防のスマート化

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火災や爆発を防げるか、中国政府も後押しする消防のスマート化

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IoTやビッグデータなどを応用して、消防のスマート化を図る動きが近年顕著だ。火災を事前に検知する早期警報システムや、消防設備の遠隔管理などに新技術を活かす取り組みが行われている。

2017年10月、中国公安部消防総局は「『スマート消防』構築の全面的推進に関する指導意見」を公布し、IoT技術を利用した消防設備の遠隔監視システム構築を重要事業に位置付けた。これに各地方自治体も追随しはじめている。

杭州市のIT企業「微天下信息科技(WTX163.com)」は、火災の事前検知から消火後の管理業務までを網羅する、大火災事故を防止するための総合的ソリューションとして、スマート消防クラウドプラットフォームを発表した。

同プラットフォームは、データ検知、集積、実行の三層で構成されている。まず、検知層が煙、温度、消火栓の水圧、電気火災の有無などのデータを監視現場のセンサーから収集。データはPaaS層で集積された後、アプリやSaaSに転送され、早期警報システムを稼働させ、消火活動を指揮し、消火器材を管理する。検知層は多くのセンサー設備メーカーと、PaaS層は通信キャリアや通信機器メーカーとそれぞれ共同開発し、SaaSは同社独自で開発した。

同プラットフォームは、医療機関、学校、歴史的建築物、集合住宅、工場、自治体などで導入されることを想定している。収益源はプラットフォーム導入費と保守サービス費。顧客のニーズやプロジェクトの規模によって、数十万~数千万元(10万元=約160万円)の単価を設定する。今年発表したばかりのサービスだが、初年度は3500万元(約5億7000万円)、来年度は2億元の営業収入を見込む。

政府や自治体の後押しもあり、スマート消防市場には多数の企業が参入しているが、微天下の強みは、消防現場に関する豊富な情報とオペレーション体制にある。

同社は今年6月、シリーズAで宝鷹集団(BAUING GROUP)から2億元を調達した。従業員は100名超。陳方龍董事長は2008年前後に、同社を含む複数のテック企業を設立した人物で、浙江省IoT協会理事や農業従事者の起業を支援するNPO浙江省農創客発展聯合会会長なども務める。邵宏堅CEOは、中国鉄通(CTT)など複数の通信系企業で管理職を歴任した。王蒙CTOは、AI企業iFLYTEK(科大訊飛)やセキュリティ機器メーカーHIKVISION(海康威視)などに勤務していた職歴を持つ。
(翻訳・愛玉)

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