IoT宅配ボックス「PacPort」、インターフォン日本最大手から資金調達。荷物受け取り効率化

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IoT宅配ボックス「PacPort」、インターフォン日本最大手から資金調達。荷物受け取り効率化

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クラウドベースの宅配ボックスを活用した配送ソリューションを提供する「PacPort」がシリーズAで資金調達を行った。インターホン・ドアホンメーカー大手の「アイホン」が単独で出資を行った。両者は今後業務上の提携も深めていく。

PacPortは2018年に日本で設立され、IoTとクラウド技術を活用し、宅配便における労働力不足と再配達の問題解決を目指している。主力技術は宅配ボックスのスマートロック機能とバックエンドのクラウド処理技術で、多くの応用シーンでの特許を取得している。2019年には深圳にも子会社を設立し、ソフトウェアの研究開発を行っている。

同社創業者の沈燁社長は、京セラやファーウェイ・ジャパンで、スマートフォンのソフトウェア開発や通信機器・ネットワーク機器の企業向け販売を担当した経験を持つ。コアメンバーも通信機器の市場開拓や経営管理の経験がある。

日本は少子高齢化が進む一方で、サービス品質への要求が高いため、宅配便のラストワンマイル配送は特殊な市場と言える。人手に依存する宅配業界では労働力不足が課題で、ECの規模が拡大するにつれてこの問題はさらに顕著になってきた。質の高いサービスを提供しながら、配送効率の向上を図るという矛盾も抱えている。

新型コロナウイルス感染症が大流行する前は、配達員が荷物を直接受取人へ渡すことが、質の高いサービスとされてきた。通常、宅配便の配達を完了するには受取人のサインが必要で、ドアの前に勝手に荷物を置いていくことは許されない。受取人が不在の場合、配達員は荷物を持って帰り、受取人の在宅時間を確認して再配達する必要がある。

PacPortによると、現在日本の宅配便の再配達率は約11%(感染症対策で在宅勤務が増える前は15%)で、そのうち約20%の荷物は3~4回の再配達が必要となる。このような商習慣は業務効率を低下させるだけでなく、余計な二酸化炭素の排出にもつながる。

その課題を解決するために、PacPortはクラウドベースのスマート荷物受取プラットフォームを開発し、応用シーンに応じて展開している。

・宅配ボックスが設置されていないマンション、シェアオフィス、小売店舗向けにカスタマイズしたソリューションを提供している。

・戸建て住宅にはスマートロック機能付きの宅配ボックスを提供している。1つのボックスで複数の宅配業者からの荷物を受け取ることができる。荷物の配達状況は専用アプリで確認でき、保険も付帯している。

・オートロック式マンションでは、不動産業者と提携し、マンション内に宅配ボックスを設置している。PacPortのクラウド技術によって、配達員は荷物ごとに振られた番号を利用してオートロックの解錠操作を行い、マンション内に入り荷物の配達ができる。

・シェアオフィス向けには集荷と受け取りの両方に対応したスマート宅配ボックスと専用アプリを提供している。

・小売業者向けにはECアプリとAPI連携することで、ユーザーは注文した商品をスマート宅配ボックスから受け取ることができる。

沈燁氏とチームメンバー

同社によると、すでに大手不動産開発業者がPacPortのソリューションを採用しており、新築マンションへの宅配ボックス導入が進んでいるという。

出資者のアイホンは1948年に設立されたインターホン・ドアホンをはじめとする各種通話機器のメーカーで、日本のインターホン市場においてトップシェアを占めている。

今回の提携により、PacPortとアイホンは製品開発、市場開拓などで協業し、集合住宅の居住者向けに効率的な荷物受取サービスを提供するとともに、宅配業者のラストワンマイルの配達効率を高め、二酸化炭素の排出量削減にも貢献していく。

(36Kr Japan編集部)

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