「アークテリクス」に続き「マムート」も 中国資本、高級アウトドアブランド買収を加速

中国の投資会社CPE源峰(CPE)は7月30日、欧州のプライベートエクイティ(PE)ファンドJacobs Capitalと株式譲渡契約を締結し、スイスの高級アウトドアブランド「Mammut Sports Group AG(マムート)」を100%買収すると発表した。取引は今後、各国の規制当局による承認など通常の手続きを経て、数カ月以内に完了する予定。買収額は公表されていないが、市場では企業価値が5億~6億ユーロ(約900億~1100億円)とみられている。

マムートは1862年創業、スイスに本社を置く老舗アウトドアブランドだ。機能性ウエアやシューズ、登山用品、雪崩対策装備などを展開し、販売ネットワークは世界約55カ国・地域に及ぶ。中国のアウトドア愛好家の間では、始祖鳥(Arc’teryx=アークテリクス)、攀山鼠(Klättermusen)と並び、「一鳥二象三鼠」と称される高級アウトドアブランドの代表格として知られている。

今回の買収は、マムートにとって5年間で2度目のオーナーチェンジとなる。2021年には、欧州のPEファンドTelemos Capitalが、スイスの工業グループConzzetaから約2億1800万スイスフランで買収。その後、Telemos CapitalはJacobs家のファミリーオフィスと統合され、資産はJacobs Capitalの管理下に移り、マムートも同社傘下に入った。

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マムートを買収するCPE源峰は2008年設立で、運用資産残高は1000億元(約2兆3000億円)を超える。これまでに飲料チェーンの蜜雪冰城(Mixue)や家電ブランドのSharkNinjaなど消費関連企業へ投資したほか、今年2月にはバーガーキング中国事業の買収も完了した。CPE源峰側は、消費分野で長年にわたり蓄積してきた知見や産業ネットワークを生かし、マムートの160年にわたるブランド価値を維持しながら、特にアジアと中国市場での事業拡大を支援する方針を示している。

注目されるのは、中国資本による高級アウトドアブランドへの投資が相次いでいることだ。2019年には、中国のスポーツ用品大手・安踏体育(ANTA Sports)が方源資本(FountainVest Partners)などと共同でアメアスポーツ(Amer Sports)を約46億ユーロ(約8300億円)で買収し、その傘下ブランドであるアークテリクスを取得した。

近年、中国は世界でも成長の著しい高級アウトドア市場となっている。アークテリクスは安踏傘下入り後、中国市場で急速に店舗網を拡大し、目覚ましい成長を続けている。こうした成功事例により、海外ブランドや投資ファンドは中国市場のポテンシャルに対する期待を一段と高めており、中国資本によるグローバルブランドへの投資は今後も続く可能性がある。

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※1ユーロ=181円、1元=23円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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