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中国の電子商取引(EC)大手「京東集団(JDドットコム)」が、地方市場に注力する「京喜事業群」を中心にリストラに着手したことが分かった。関係者によると、同事業群では今回、10~15%の人員が削減されるという。現在の従業員数は約4000人のため、400〜600人がリストラの対象になる計算だ。
京喜事業群は現在、主に四つの事業を抱えている。地方市場をターゲットとする格安ECプラットフォーム「京喜(Jingxi)」、地域コミュニティ(=社区:中国の行政区画の一形態)向け共同購入サービス「京喜拼拼(Jingxi Pinpin)」、物流を担う「京喜達快逓」、および新チャネル事業部だ。このうち、人員削減の対象は京喜拼拼に集中しているという。
「中信証券 (CITIC Securities)」の試算によると、2021年7~9月期と10~12月期に京喜および京喜拼拼が計上した損失額は、それぞれ計15億元(約285億円)と計20億元(約380億円)を超えるとみられる。
36Krの調べによると、21年10~12月期の京喜拼拼の1日当たりの注文件数は約800万件、GMV(流通取引総額)は約90億元(約1700億円)だった。競合他社の同じ期のGMVは、「拼多多(Pinduoduo)」傘下の「多多買菜(Duoduo Maicai)」は約430億元(約8170億円)、「美団(Meituan)」傘下の「美団優選(Meituan Select)」は約380億元(約7220億円)、アリババ傘下の「淘菜菜」は約130億元(約2470億円)。1日当たりの注文件数は、それぞれ4400万件、4200万件、1200万件だった。
なお、京東集団の中核をなすデジタル家電、オムニチャネルのスーパーマーケット、ファッション・ホーム用品などの事業群に明らかなリストラの兆候は見られないという。
(36Kr Japan編集部)
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