トラック配車大手「貨拉拉」が香港で上場申請、東南アジアでLINEとも提携

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トラック配車大手「貨拉拉」が香港で上場申請、東南アジアでLINEとも提携

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トラック配車大手「 貨拉拉(Lalamove)」が今年3月下旬、香港証券取引所に目論見書を提出し、上場を申請した。「拉拉科技(Lalatech)」が上場主体となる。ゴールドマン・サックス・アジアとJPモルガン証券(Far East)などが共同で推薦人を務める。

貨拉拉の目論見書表紙

貨拉拉は過去8年間で11回にわたり合計26億6200万ドル(約3500億円)を調達した。2021年には「セコイア・キャピタル・チャイナ」、中国の著名投資ファンド「高瓴資本(Hillhouse Capital)」が主導したシリーズFで15億ドル(約2000億円)を調達し、評価額は100億ドル(約1兆3000億円)に達した。目論見書によると、22年にもシリーズGで2億3000万ドル(約300億円)を調達している。21年には米国でのIPOを計画していたが、中国配車サービス最大手「滴滴出行(DiDi Chuxing)」が米国でのデータセキュリティに関して中国当局から調査を受けたことから、貨拉拉は上場先を香港株式市場に変更して準備を進めてきた。

当局の審査終了、中国配車最大手「DiDi」 1年半ぶり新規登録再開が意味するもの

22年に初めて黒字に

貨拉拉は2013年に香港で設立されて以来、中国と海外市場で事業を拡大し、市内配送プラットフォームからインターネットを通じた総合物流サービスへと発展してきた。目論見書によると、貨拉拉の主要業務は3本柱で、同一市内や都市間の貨物輸送プラットフォームサービスに加え、企業向け物流サービス、引っ越しサービス、小口貨物輸送などの物流サービス、そして自動車販売やレンタカーとなっている。

貨拉拉の目論見書より

目論見書によると、貨拉拉(海外事業のLalamoveを含む、以下同様)の売上高は2020年が5億2900万ドル(約700億円)、21年が8億4400万ドル(約1100億円)、22年が10億3600万ドル(約1400億円)で、年平均成長率は39.9%だった。22年に初めて黒字化を実現し、非国際会計基準(Non-IFRS)ベースの調整後利益は5323万ドル(約70億円)だった。

しかし、都市内物流の競争激化に伴い、中国本土では貨拉拉の新規エリア開拓は限界に近づき、運転手やユーザー向けアプリでは月に1回以上利用するユーザー数も伸び悩んでいる。貨拉拉は2022年12月時点で中国本土の360都市をカバーし、月に1回以上業務に従事した運転手は68万人、月間アクティブユーザーは950万人だった。海外市場を含めると月に1回以上業務に従事した運転手は約97万人、月間アクティブユーザーは1140万人だった。

市場拡大を狙う

海外市場では、2014年にまずタイ市場に参入した。その後16年からフィリピン、ベトナム、マレーシアなど東南アジア市場を開拓。19年にはインド、ブラジル、メキシコ、22年にはバングラデシュにも進出した。目論見書によると、貨拉拉は22年12月31日時点で上記の国や地域を含む世界の11の市場、400以上の都市で事業を展開している。

貨拉拉の海外市場進出 目論見書より

このほか、近年貨物の種類、輸送距離、輸送方法を拡大している。そこから都市間物流、引っ越し、小口輸送などの業務を広げていった。

貨拉拉は2016年にLINEと提携し、東南アジア市場で書類、小包など小口貨物の市内配送や料理のデリバリーを行っている。目論見書によると、貨拉拉は東南アジア市場でも中国市場と同様に四輪車による配送モデルを維持していくという。

また2018年には大、中規模企業向けサービスを開始した。企業の車両利用をシステムで管理して専用の物流チームを配備し、カスタマーサービスも提供する。貨拉拉は同サービスの開始前から東南アジアでグーグル、Lazada、イケア、セブンイレブン、マクドナルドなどの大手企業にサービスを提供している。

このほか、今年3月下旬に「跑腿(使い走り)」サービスを深圳市と上海市で開始、文書や伝票、3Cデジタル機器(パソコン、通信機器、家電製品)、衣類、アクセサリー、生花、生鮮食品などを市内で即時配送するサービスを提供する。これも同社がタイ、インドなど海外市場で展開する主要業務の一つだ。

貨拉拉の取引総額、売上高はいずれもこの3年ほどで増加した。目論見書によると、世界の貨物輸送の取引総額(GTV)は2020年が約34億4500万ドル(約4600億円)、21年が61億5700万ドル(約8200億円)、22年が67億1500万ドル(約8900億円)だった。

全世界のGTV 目論見書より

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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