上海コレクションを下支え デザイナーズブランド取引プラットフォーム「Ontimeshow」

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

スタートアップ注目記事

上海コレクションを下支え デザイナーズブランド取引プラットフォーム「Ontimeshow」

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国のファッション貿易展示会、デザイナーズブランドの取引プラットフォーム「Ontimeshow」は、このほど新たに1000万元(約1億5000万円)の資金調達を完成した。投資者は、上海の国有企業傘下の「百聯時尚産業基金(Bailian Fashion Industry Fund)」である。今回の資金調達は、引き続き展示会運営のさらなる拡大や最適化の推進、およびオンラインB2B(事業者間取引)プラットフォームの構築に用いられるという。

ファッションウィークといえば、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークの4大コレクションがあり、スーパーモデル、セレブ、インフルエンサーたちが集まるイメージがあるだろう。それらのコレクションイベントの裏には、完備されたビジネス運営手法がある。すなわち、フロントエンドとなるランウェイではブランドが宣伝され、バックエンドにはショールームやトレードショーがある。それぞれでバイヤーたちに商品を詳しく理解してもらい、注文ができる場が提供され、実質的にB2Bの取引プラットフォームになっている。

ショールームもトレードショーも、通常は大規模なファッションコレクションに依存している。例えば、パリコレクションのTRANOÏ(トラノイ)、ミラノコレクションのWHITE MILANOなどがあり、有名なショールームとトレードショーへの参加は、バイヤーたちのコレクション参加時の定番スケジュールにもなっている。

デザイナーズブランド取引プラットフォームの「Ontimeshow」のビジネスはトレードショーの運営である。上海コレクションに依存し、デザイナーズブランドとアパレルの小売チャネルとのコネクションを構築している。2015 年の春夏コレクションから、毎年2シーズンの頻度で、10シーズンのトレードショーを運営している。トレードショーへの参加申し込みブランド数は延べ2500ブランド、リピート率は60%をそれぞれ超えた。

OntimeshowのCEO 董黄之氏は36Krに「Ontimeshowはブランド側に重点を置き、優秀なブランドを集めることにより来客数を確保している」と話す。

トップクラスのブランドや、ポテンシャルのあるブランドとの関係を維持するために、Ontimeshowは自社ショールーム「ROOMROOM」を創設した。

また、OntimeshowはB2Bプラットフォームのみを提供する一方、ROOMROOMはデザイナーズブランドに対し、販売チャネルとのコンタクトやマーケティングプロモーション等のビジネス化サポートを提供する。ROOMROOMはOntimeshowにとって展示会以外での新しい収益源となっている。

ROOMROOM 2020春夏ショールームに参加するブランド

展示会の規模を拡大しつつ、参加するブランドの品質を保つために、Ontimeshowには、参加するブランドと販売チャネルについて独自の詳細な選定基準がある。ブランド、種類、価格帯、現在の販売状況、今シーズンと以前のシーズンのデザイン等だ。

Ontimeshowは現在、展示会のブース賃料が主要収入源である。展示会規模(参加するブランド数)だけでは、収入の伸びに上限があると思われがちだが、董黄之氏は異なる見解を持ち、Ontimeshowの発展は2つの段階があるという。

まずは現時点の展示会運営だ。展示会の頻度や賃料の面では、海外の同種類のトレードショーに比べ、中国のトレードショーには大きな進歩余地があるという。ほかにも大量な個別展示会、例えば下着、装飾品や宝石、ライフスタイルブランドの展示会等のビジネスチャンスもある。

次の段階は、オンラインB2B取引プラットフォームの構築だ。ファッションコレクションの回数は限られているが、より頻度の高い商品の補充や新商品の出荷がコレクション以外のときに発生する。特に新商品の発売周期がより短縮され、春夏の前にプレスプリングコレクション、秋冬の前にプレフォールコレクションがある場合は、オフラインの展示会では効率もコストパフォーマンスもよくない。ブランドが安定した知名度を形成した後は、コレクションシーズン以外のときの新商品発売や商品補充は、オンラインプラットフォームを利用して行うことができる。

これを実現するために、今年2月の2019秋冬展示会では、Ontimeshowはバイヤーの商品選定と発注ができるミニプログラムをローンチし、オフラインデータの集計も行った。

また、上海コレクションとともに発展していくほか、Ontimeshowは2016年から上海の川沿いの大型アートエリア「上海西岸(WEST BUND)」と戦略的提携をした。これにより生まれた「Ontimeshow Westbund」は現在、「西岸文化芸術祭(ART WEST BUND)」の重要なイベントとなっている。
(翻訳:小六)

36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録