世界遺産を救う「萌え」。中国・雲岡石窟、若者離れに挑む「キャラ戦略」

中国山西省大同市の雲岡石窟風景区では、訪れた人たちが大仏の前で、仏像をモチーフにした愛らしいキャラクター「仏小伴(フォーシャオバン)」のぬいぐるみを持って記念写真を撮っている。

1500年以上の風雪に耐えてきた世界文化遺産と現代的な感性に満ちた「萌え系」のキャラクター。レンズの中での両者の不思議な組み合わせは、文化遺産の活用に向けた新たな実践の成果を生き生きと映し出している。

中国四大石窟の雲岡石窟には、主要洞窟45カ所、大小の窟龕(くつがん、壁面に掘られた厨子)252カ所、石像5万9000体余りが現存する。5世紀の中国仏教芸術の頂点をなす文化遺産として知られるが、関係者の間では、石窟に対する若者の関心をいかに高めていくかが重要な課題の一つだった。

仏小伴は雲岡石窟や華厳寺、懸空寺など山西省の文化遺産が持つ仏教芸術の要素から着想を得ているが、設計チームは文化財の造形を単に模倣するのではなく、善の心、静寂、包容などの精神をくみ取った上で「萌え」の要素を加え、現代的なデザインに落とし込んだ。

ライブ配信で「仏小伴」グッズを紹介するスタッフ

現在、仏小伴は国内で15店舗を展開している。関連商品の累計販売数は280万点、売上高は1億8000万元(約43億2000万円)を超え、ここ数年のミュージアムグッズ・ご当地グッズ市場で大ヒット商品の一つに成長した。

人気の背景には、文化遺産関連グッズが幅広い層に受け入れられるようになったという全国的な流れがある。北京・故宮博物院の「故宮口紅」や宮殿屋根飾りをかたどったアイスキャンデー、敦煌・莫高窟の飛天(天人・天女)をモチーフにした一連のグッズ、四川省・三星堆遺跡の「青銅仮面」ブラインドボックス、西安・兵馬俑坑の兵馬俑ぬいぐるみなど、各地の博物館や文化遺産風景区はここ数年、より若者に好まれ、日常使いができる商品を展開し、人々の関心を集めている。

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観光関連の研究調査機関、中国旅游研究院によると、国内の若年層の観光客の間ではここ数年、没入型の文化・観光消費、感情的価値を重視する消費、伝統文化の要素を取り入れた「国潮」商品がトレンドになりつつある。

国内で人気を集める仏小伴は海外進出も加速している。近年では大阪・関西万博や中国国際文化産業博覧交易会(広東省深圳市)などの国際的イベントに登場して注目を集めた。今後はタイやシンガポールなどへの店舗展開も計画している。【新華社太原】

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