中国が開発した水素列車、試験運転成功 時速160キロ

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

新華社EXCITEのRSSに登録注目記事

中国が開発した水素列車、試験運転成功 時速160キロ

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の鉄道車両大手、中国中車(CRRC)傘下で吉林省長春市に本社を置く中国中車長春軌道客車(中車長客)が独自に開発した国内初の水素エネルギー都市列車の運行試験が21日午前、長春市にある同社の試験線で行われた。時速160キロの全負荷運転に成功するとともに、フルシステム、フルシナリオ、マルチレベルの性能検証を実現し、軌道交通分野での水素エネルギー利用でブレークスルーを果たした。
 
化石エネルギーや架線から得た電力に依存する従来の列車とは異なり、今回運行試験に成功した水素エネルギー都市列車は水素を燃料とした動力システムを搭載、車両の運行に強力で長持ちする動力源を提供する。試験データでは、列車が実際に1キロ走行するのに必要な平均エネルギー消費量は5キロワット時で、車両設計の各種指標基準を満たし、世界をリードする水準に到達している。
 
エネルギーの供給には、複数のエネルギー貯留システムと水素エネルギーシステムを分散配置したハイブリッドプランを採用。同社が独自に開発した水素と電気のハイブリッドエネルギー管理戦略と制御システムを使い、列車全体の制御を深いレベルで統合、エネルギー利用効率を大幅に高めるとともに、エネルギー供給の柔軟性と信頼性を高め、最大航続距離は千キロを超える。
 
同社国家軌道客車工程研究センター新技術研究部の王健副部長によると、同社は水素エネルギー都市列車の水素動力システムとその重要部品の耐久性や高低温、振動、電磁両立性、防火・安全などに関する試験による検証を終えた上で、各速度でのエネルギー消費や航続距離、信頼性、けん引、制動、動力学など列車全体の試験を実施した。マイナス25度からプラス35度までの環境温度における列車の実際の性能を初めて検証した結果、各指標とも車両設計上の要件を満たしたという。
 
業界関係者は今回の試験について、中国の軌道交通業界による水素エネルギー技術の研究開発や利用にとっての大きな一歩だと評価。交通輸送設備のハイレベルな重要技術の独自掌握を後押しし、中国の交通輸送設備が「新たな質の生産力」(科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力)の形成を加速する技術的な支えになるとの見方を示した。(新華社長春)

次世代エネルギーの水素 燃料電池業界に「第2のCATL」は誕生するか

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録