3時間の作業が“1分“に、中国の鉄鋼・港湾の現場で進むAI活用

中国ではここ数年、人工知能(AI)技術がさまざまな産業に急速に普及し、スマートモデルやビッグデータ分析などを通じ、従来型産業における課題の克服、品質向上、効率化を図っている。

山東省を本拠とする鉄鋼大手、日照鋼鉄控股集団の集中制御センターでは、400台以上のディスプレーが「データの壁」を形成し、全製造工程における100万件超の重要データをリアルタイムで収集している。千以上のスマートモデルが熟練職人の経験による判断を代替し、全製鋼工程の自動化を実現した。高炉の「デジタルツイン」構築により、炉内の「ブラックボックス」だった製造工程をAIが可視化し、全要素生産性が3割向上した。製造、圧延、物流の全工程にAIを活用することで、年間5億元(約115億円)のコスト削減という直接的な経済効果も実現した。

青島港の乾貨物埠頭で、貨物の積み降ろし作業をする自動化設備

山東港口青島港集団傘下の山東港口青島港前港で生産計画の責任者を務める張先進さんは最近、業務量が大幅に減ったことを実感している。以前は毎朝6時に埠頭に到着して船舶と貨物の保管状況を確認し、会社に戻ってから約3時間かけて当日の停泊計画を作成していた。同社は昨年7月、AIを用いて「星港大模型(ビッグモデル)」を構築し、乾貨物埠頭の運用モデルを再構成。停泊に関わる132項目の要素をAIシステムが整理・調整し、自動で計画を生成することで、業務配置を経験駆動型からデータ駆動型へと転換した。

張さんは「以前は3~4時間かかっていた作業が、今ではAIを使って1~2分で完了し、精度も大幅に向上した」と語った。
鋼鉄の製錬から港湾の運用まで、AIは産業の質の高い発展を後押しする「スマートエンジン」になりつつある。絶え間ない技術革新に伴い、ますます多くの業界がAIを活用してプロセスの最適化やコスト管理、効率向上を図り、中国の産業のスマート化レベルを新たな段階へと押し上げている。【新華社済南】

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