小型車載AMOLED、30年に150万枚へ 中国勢が韓国の隙を突く:オムディア予測
英調査会社オムディア(Omdia)によると、5インチ以下の小型車載AMOLED(アクティブマトリックス式有機ELディスプレイ)の出荷台数は、2025年の約20万枚から30年には150万枚へ増加し、伸び率は541%に達する見通しだ。
需要拡大の背景にはスマートコックピットの進化がある。車載電子アーキテクチャーの高度化に伴い、小型操作パネルから大型集中ディスプレイへの置き換えが進んでいる。AMOLEDは高精細、高速応答、高コントラスト、低消費電力での常時表示といった特長を備え、AIアバターやデジタルアシスタント向けの表示デバイスとして採用が進んでいる。
実際の量産・搭載実例を見ると、2026年北京モーターショーで発表されたEVブランド・問界(AITO)」の新型「M9」には、コックピットモジュール「星寰島」に維信諾(Visionox)製の小型AMOLEDスクリーンを搭載した。AIアシスタントのアニメーション表示やデジタルペット機能などに対応しており、中国メーカーによる車載AMOLED量産の重要なマイルストーンと位置付けられている。
このほか、蔚来汽車(NIO)のAIアシスタント「NOMI」や、アウディと上海汽車集団(SAIC)の共同開発モデルでも小型OLEDが採用されている。
サプライチェーンの構造について、オムディアのシニアアナリスト王子叡氏は、「韓国のパネルメーカーは通常、大型パネル製品に注力する傾向にあり、中国のサプライヤーは小型の車載OLEDプロジェクトに力を入れて市場シェアを拡大し、自動車メーカーとの協力関係を深めている。こうした市場の隙間を突いたチャンスは、維信諾や天馬微電子(Tianma Microelectronics)などの中国メーカーの車載ディスプレイ分野でブレイクスルーを加速させる可能性がある」と指摘する。
(36Kr Japan編集部)