「空⾶ぶボート」⽔⾯すれすれ⾛る 電動キックボード「NAVEE」が新レジャーを公開
電動キックボードなど短距離モビリティを手がける中国スタートアップ「坦途科技(NAVEE)」がこのほど、世界初の消費者向け地面効果翼機「WaveFly 5X」を発表した。初の公開飛行にも成功し、発表会では米国やオーストラリアなどの販売パートナーと代理店契約に向けた合意書を締結した。
ドローンなどを活用した低高度空域の経済活動「低空経済」は、中国を中心に市場拡大への期待が高まっている。2030年には世界市場が2兆ドル(約320兆円)規模に達するとの予測もある。一方、水上を飛行する個人向けモビリティは製品化が進んでおらず、市場は未開拓の状態だった。
NAVEEは、水面付近で発生する「地面効果」を利用した地面効果翼機を投入することで、水域での個人飛行のハードルを下げたい考えだ。水面すれすれを飛行することから、「空飛ぶボート」のような新しいレジャーモビリティとして提案する。
水面30〜80センチを飛行、ライセンス取得も不要
WaveFly 5Xは前後2枚の翼を持つタンデムウイング型で、機体には航空機グレードのカーボンファイバーを使用している。地面効果を利用して水面から30〜80センチメートルの高度を維持しながら飛行し、広い水面さえあれば直接離着水が可能。専用の滑走路や空港も、煩雑な飛行許可申請も必要ない。最高速度は時速85キロメートル、最大積載量は140キログラム、航続距離は80キロメートル。交換式バッテリーを採用し、最長70分間の飛行が可能という。
一般消費者向け製品として重視したのが、安全性と操作性だ。水面近くを飛行するため、高高度から墜落するリスクを抑えられる。操縦系統も大幅に簡素化し、片手で操作できるジョイスティックを採用した。短時間のトレーニングで操縦でき、専門的な航空ライセンスも不要としている。
キックボードから外骨格、そして水上へ広がる

NAVEEは2021年設立。これまで電動キックボードを主力事業とし、二輪モビリティ関連で約500件の特許を出願してきた。現在は60以上の国・地域で製品を販売し、通勤向けやオフロード向けなど複数のシリーズを展開している。また、電動キックボードの開発で培った電池・モーター・電子制御のノウハウを、e-Bike(電動アシスト付きスポーツ自転車)にも応用。通勤向けの「Speed Pedelec SP01」と、オフロード向けの「Storm X Pro」を発表した。
さらに、超広帯域無線(UWB)による追従機能を備えたゴルフバッグ運搬カートや、電動アウトドアワゴン、歩行支援用の外骨格機器など、アウトドア向けモビリティのラインアップも拡充している。
今回発表したWaveFly 5Xが加わり、同社の製品は地上から水上、短距離通勤からアウトドアアドベンチャーまでを網羅することになる。低空経済分野では産業用ドローンや空飛ぶクルマ(eVTOL)への注目が集まる一方、個人向けの水上モビリティという新たな市場の開拓につながる可能性もありそうだ。
*1ドル=約160円で計算しています。
(翻訳・田村広子)