「倒れない」電動バイク、インドネシアで受注1位 CATL系ファンドも出資
次世代型のスマート電動バイクブランド「OMOWAY(目蔚科技)」がこのほど、Monolith(砺思資本)が主導するシリーズAと、寧徳時代(CATL)傘下のドル建てファンドLochpine Capitalが主導するシリーズA+(追加ラウンド)で、それぞれ数千万ドル(数十億円)規模の資金を調達した。
OMOWAYは2024年に設立され、中国EV大手・小鵬汽車の共同創業者である何涛氏らが設立したモビリティテック企業だ。広東省広州市で研究開発およびサプライチェーン管理を行い、シンガポールでブランド運営とグローバル資本戦略を担い、インドネシアのジャカルタに完成車の生産と販売機能を置く「トリプル・ヘッドクォーター」体制で運営している。
2026年4月にはフラッグシップモデル「OMO X」をインドネシアで世界先行発売し、同国の電動バイク月間受注台数で1位を獲得したという。

スマート電動バイク「OMO X」
世界のバイク市場では、日本ブランドのガソリン車が長らく主導的地位を占めてきた。また、スマート電動バイクをめぐっては、ハイエンド製品は割高な一方で、手頃な価格帯の製品には「テクノロジー感」が欠けているというジレンマが生じていた。OMOWAYはスマート体験を武器に、こうした構図に一石を投じようとしている。
OMO Xは全モデルでデジタルキーや自動サイドスタンド、リモート制御などの機能に加え、車載グレードの大型スマートディスプレーを標準装備。そのサイズは、バイク業界で主流の5〜7インチをはるかに上回る10.25インチとなっている。また、高級自動車で一般的なダブルウィッシュボーン式サスペンションを自社開発・搭載することで、操縦の安定性と乗り心地を高めた。
スタンダードモデル「OMO-X Smart」に自律バランス制御機能を加えた「OMO-X Balance」について、何CEOは「世界初の量産型自律バランス式バイク」だとしている。開発チームは、従来のバイクが抱えていた「倒れやすさ・起こしにくさ」という課題を解決するため、航空宇宙分野で使われるジャイロスコープ制御技術を採用。低速走行時の車体バランスを維持する機能を搭載し、走行安定性を向上させた。
実際の複雑な道路状況に対応できるよう、OMO-X専用の強化学習モデルも開発した。システムは、クラウド上のシミュレーション環境内で、大量のデータによってトレーニングを施されており、モーターの出力とジャイロスコープのトルクがうまく協調するよう最適化されている。
走行中の安全を確保するため、前方のデュアルカメラと4つの魚眼カメラで構成される360°サラウンドビューシステムも搭載した。濡れた路面や複雑なカーブを走行する際、あるいは衝突の危険がある場合には、システムがリスクを予測し、モーターやステアリング、ブレーキを適切に制御して走行姿勢を安定させる。

次世代型のスマート電動バイクブランド「OMOWAY」
これらの機能の基盤となっているのが、検知・意思決定・実行・情報伝達をカバーする独自の汎用ロボットアーキテクチャ「OMO-Robot」だ。シミュレーション訓練を通じて環境を認識し、AIモデルが走行ルートを計画。フィードバックされたデータをハードウエアの改良に活用し、電気・電子アーキテクチャによって情報伝達を担保する。共通のアーキテクチャをベースに開発した単輪型モビリティロボット「Mobility One」も、2026年内にプロトタイプが発表される見込みだという。
今後はインドネシアに続き、タイ、シンガポール、欧州市場への進出を計画している。
*1元=約24円で計算しています。
(翻訳・田村広子)