補助金では救えない 中国自動車業界、利益なき競争続く
中国商務省によると、2026年1~6月期の消費財買い替え奨励策で、関連商品の売上高は全国累計で1兆1000億元(約25兆円)増加し、延べ1億5000万人が恩恵を受けた。自動車の買い替え補助金の申請は370万7000台に達し、自動車購入の下支えとなった。補助金の柱は新エネルギー車(NEV)で、補助対象となったNEVの割合は6月に65.4%に達し、4~6月期のNEV販売シェアを過去同期で最高水準に押し上げた。

しかし、華やかな数字の裏で、自動車市場の冷え込みは続いている。中国自動車流通協会(CADA)によると、1~6月期の中国国内乗用車の小売販売台数は前年同期比20.2%減の870万1000台にとどまった。業界内外では「補助金がなければ、自動車市場はもっと悪くなるのではないか」との声が強まっている。
2026年の国による補助金の規模は過去最高を更新した。従来の車を廃車して新エネルギー車(NEV)を購入する場合は最大2万元(約46万円)、下取りに出してNEVに買い換える場合は最大1万5000元(約35万円) で、初めて全国一律の基準を導入し、中古車の使用年数制限も大幅に緩和した。5月末時点で、全国で412万件以上の申請があり、5月単月だけで新車120万台超の販売を押し上げた。
しかし、補助金では業界の「低収益」という根本的な課題は解決できない。中国国家統計局によると、1~6月期の自動車業界全体の売上高営業利益率はわずか3.8%で、前年同期比19.5%減となった。
世界に目を向けると、2026年版「フォーチュン・グローバル500」によれば、自動車メーカー35社の平均売上高営業利益率はわずか1.7%だった。中国の上位10社の平均は3.1%だが、利益率の高い車載電池大手の寧徳時代(CATL)と香港のコングロマリット「怡和集団(ジャーディン・マセソン)」を除くと、残る8社の完成車メーカーの平均利益率はわずか1.5%にとどまる。「収入は増えても利益は増えない」ことが業界の一般的な姿となっている。
7~12月期も政策の恩恵は続くが、自動車市場が本当に低迷から脱却できるかどうかは、補助金そのものではなく、価格競争と同質化競争の悪循環を断ち切り、業界の収益性を根本的に高められるかどうかが鍵だとの見方が一般的だ。
*1元=約23円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)