バイトダンスのオフィスツール「飛書」、ドキュメント機能を単独アプリ化 個人利用者からの集客狙う

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バイトダンスのオフィスツール「飛書」、ドキュメント機能を単独アプリ化 個人利用者からの集客狙う

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TikTokを世界でヒットさせた「バイトダンス(字節跳動)」によるオフィススイート「飛書(FEISHU、海外版「Lark」)」が、ドキュメント機能のみを切り出したアプリを近くリリースすることがわかった。飛書は先月末もビデオ会議機能を独立させてリリースしている。

複数の海外メディアの報道によると、飛書は今月にもグーグルの「G Suite」に類するオフィスコラボレーションツールをリリースする予定だ。クラウドストレージ上でドキュメントを管理・共有したり、表計算ソフトを使用したりといった機能に重点を置いている。市販のドキュメント共有製品と同じように、文書、表、プレゼンテーション資料など基本的なドキュメントを編集・管理できる。飛書の関係者によるとファイル形式は同社独自のもので、その理由は「Microsoft Office」など他社製品の著作権に関する事情と、飛書が展開する他の機能と互換性を持たせるためだという。

オリジナルの飛書でも、利用者を呼び込む一番の入り口なっているのがドキュメント機能だ。複数のメンバーで一つのドキュメントを共同編集できる機能は多くの職場で頻繁に使われるものであり、飛書ではメンバー間で共有されたドキュメント記録は自動的にクラウドに保存される。この機能が単独アプリとしてリリースされれば、飛書本体と抱き合わせで利用されることは間違いなく、アプリとオフィススイートそれぞれがアクティブ度を高められる。

このアプリのリリースについて36Krはバイトダンス社に問い合わせたが、回答は得られなかった。

新型コロナウィルスの感染拡大を受けてリモートワークの実施が増え、こうしたオフィスツールへの需要も急増している。飛書はまだ利用状況などに関するデータを公表していないが、米モバイル関連調査会社Sensor Towerの調べによると、中国エリアではアップルのアプリストア「AppStore」を通じ、飛書が1日2万2000回ダウンロードされたこともあったという。

個人ユーザーを足がかりにして法人顧客を開拓するバイトダンスの手法は、今回のアプリリリースにも体現されている。法人向けに特化した製品はTikTokなどで成長してきたバイトダンスにとって苦手分野だ。そこで、ビデオ会議やドキュメントの共同編集など、多くの企業で頻繁に発生するシーンに即した個人用のアプリをリリースする方向性を固めたようだ。

こうした手法はテンセントを踏襲している。テンセントも「企業微信(WeChat Work)」をリリースした後、ドキュメントやビデオ会議に特化した単独のアプリを相次いでローンチし、急速に新規ユーザーを獲得した。今月発表した同社のデータによると、企業微信のドキュメントアプリは1年を待たずしてMAU(月間アクティブユーザー)1億6000万を突破したという。
(翻訳・愛玉)

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