中国の長征十号乙、世界初の「ネット回収」方式で初飛行成功

中国航天科技集団(CASC)傘下の中国運載火箭技術研究院(CALT)は7月10日13時15分、海南商業航天発射場から新世代大型液体ロケット「長征十号乙(Long March-10B)」を打ち上げ、衛星を予定軌道へ投入することに成功した。

CASCによると、打ち上げから約6分後に第1段と第2段が分離し、第1段は制御された状態で垂直帰還し、洋上回収プラットフォーム「領航者(Navigator)」に設置されたネット式回収装置によって捕獲・回収され、ミッションは成功裏に終了した。

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中国当局は、今回の成功について、中国で初めて大型液体ロケット第1段の制御回収を実現しただけでなく、世界で初めてネットによるロケット回収を実現した事例だとしている。これまで大型液体ロケット第1段の回収能力を有していたのは米国のみだった。

米スペースXの「ファルコン9」が着陸脚を用いて垂直着陸する方式を採用しているのに対し、長征10号乙は回収装置を洋上プラットフォーム側に設置し、機体側には軽量な係留機構のみを残すことで、自重を軽減し、搭載能力を高めている。

長征十号乙は全長約63メートル、直径5メートルの2段式液体ロケットで、離陸推力は約890トン。再使用状態での低軌道投入能力は16トン以上という。開発チームは年内に、第1段ロケットの再使用飛行を実施する計画だ。

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長征10号乙は、中国が2030年までの有人月面着陸計画の実現を担う「長征10号」シリーズの商業打ち上げモデルに位置付けられる。今回実証されたエンジンの再着火や帰還制御などの技術は、今後のシリーズ機開発にも活用される予定だ。

中国では「国網(Guowang)」や「千帆(SpaceSail)」など低軌道衛星コンステレーションの構築が本格化しており、再使用ロケット技術の確立は、打ち上げコストの削減や打ち上げ頻度の向上をもたらし、商業宇宙開発の発展を後押しすると期待されている 。

(36Kr Japan編集部)

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