ソフトバンク支援の「Yeelight」、目指すは一般家庭でも手の届くスマート住宅照明

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中国スマホ&IoT家電大手シャオミ系列のスマート照明メーカー「Yeelight(易来)」がシリーズC+で「中国中信(CITIC)」傘下の「金石投資(Goldstone)」と「光大控股(EverBright)」から出資を受けたことが分かった。調達した資金は照明の材料や新製品の研究開発、販売チャネルとサービスネットワークの構築、照明デザイン学院や講習などに充てられる。

2012年に設立されたYeelightはスマート照明器具の開発と販売に従事しており、シーリングライト、テーブルライト、間接照明など、住宅照明全般にわたるラインナップをそろえている。2019年の売上高は10億元(約150億円)を超えた。オフラインの販路や体験型ストアに力を入れ、今年中に店舗数を現在の30店余りから300店以上に増やす計画だ。

Yeelightのスマート照明はマイクロソフト、アマゾン、アップルなど十数種類のAI音声アシスタントに対応している。心地よい光にこだわり、基本的な材料の研究から調光まで着実に改良を重ねてきた。姜兆寧CEOによれば、使用感を重視して材料を惜しまずに使うスタンスだという。「発売当初は従来型の照明メーカーより割高だが、出荷量が増加するにつれて長期的には価格も落ち着いてくる。材料コストにしても、ユーザーの満足度と安全性を高めるためには必要な投資だ」

同社はスマート調光スイッチ、音声コントロール、接続範囲の広いブルートゥース機能など、スマート照明に関わる多くの技術を開発した。「このような技術のおかげで照明器具のスマート化が進んだほか、一般のデザイナーや施工業者にとってもスマート照明を導入しやすくなっている。オーダーメードの住宅照明デザインの普及に弾みがつくはずだ」と姜氏は語る。

同社Twitterより

家全体の照明デザインサービスを提供するため、Yeelightではスマート照明デザインチームを立ち上げた。照明デザイン用のソフトウェアを独自開発してデザイナーの作業負担を軽減したほか、消費者が参考にできるよう一般的な住宅間取りのテンプレートもソフト内に組み込まれている。さらにオーダーメード照明の体験型ストアを開設し、消費者が実際に見て体感できるように工夫している。「今はオーダーメードデザインの価格を一般家庭でも受け入れられるレベルまで下げるよう努力している。これは今年の重点業務の一つだ」。そう姜氏は話す。

中国民政証券研究院のデータによると、2013年から2017年にかけて世界のスマート照明市場の規模は年々増大し、2018年には約148億7800万ドル(約1兆6000億円)に達した。今年は243億4100万ドル(約2兆6000億円)に成長すると見込まれる。大手照明メーカーやスタートアップ企業がこぞってスマート照明に参入する中、市場の主導権を握るようなリーディングカンパニーはいまだ現れていない。

従来型の照明器具と異なり、スマート照明はセンサーや通信装置を組み込みシステムで制御するという点で、どちらかというと電子機器に近い。スマート照明市場の開拓を進める上でメーカー各社に求められているのは、コストを抑え効果的なチャネルを活用して、スマート照明を一般消費者の身近な選択肢にすることだ。大手の照明メーカーはすでに確立された販売チャネルを持っている。新興メーカーが発言権を強めていくためには、大手の力を借りる必要があるだろう。

Yeelightはシャオミのエコシステムやオンラインストア、実店舗などで製品を販売しているが、さらにインテリアデザイン会社や内装会社と提携してオーダーメードのスマート照明のプロモーションを行っている。またソフトバンクC&Sを通じて日本でも販売が始まったほか、グーグル中国法人や韓国Naver、サムスンなどとも連携してグローバル市場の開拓を進めていくという。

(翻訳・畠中裕子)

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