スウェーデンの通信機器メーカー、エリクソン（Ericsson）が発表した世界の移動通信市場に関する調査報告書「エリクソンモビリティレポート」は、5G（第5世代移動通信システム）の契約者数は2020年末までに全世界で1億9000万人を突破して2025年末までには28億人に達し、その時点で5Gの世界人口カバー率は約65％に迫り、5Gによるデータ通信量が全体の45%を占めるだろうとの見通しを示した。また、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、通信ネットワークが果たす重要な役割も際だった。全世界のネットワーク通信量は20％〜100％、音声データは20％〜70％増加し、回答者の83％は、情報通信技術（ICT）が新型コロナウイルス流行下におけるロックダウンにより引き起こされた問題の緩和に役立っていると考えており、ビデオ、教育、テレワーク、医療系アプリの使用も急速に拡大している。

 同時に、回答を寄せた中国の消費者の89％は5Gがより大きな役割を果たすだろうと考えており、59％が将来5Gに投資する意欲を示した。世界と比較すると、中国の消費者は新技術の開発に対してより有望視している。例えば、自動販売機、無人配達機、自動運転などの自律的なトランザクションを受け入れる消費者の比率は、世界が55%であるのに対し、中国では79%にも上る。また、全世界では71％であるのに対し、中国のVRユーザーの80％が、オンラインで過ごす時間の増加にともない、仮想経済は実体経済に比べ、より大きな発展の可能性を持つようになるかもしれないと考えている。