中国のタクシー配車サービスが日本上陸、2018年秋にローンチ=「滴滴出行」とソフトバンク合弁で

2018年7月19日、ソフトバンクは中国のライドシェアサービス大手・滴滴出行(DiDi)と合弁会社を設立したと発表。中国で広く受け入れられているAIを活用した配車サービスを日本へ導入し、次世代のタクシー配車サービスとして今秋にもローンチする。

“中国版Uber”とソフトバンク、両者のシナジーに期待

“中国版Uber”とも形容される滴滴出行。ジーン・リウ(柳青)総裁は、「AI(人工知能)技術の革新が、タクシー業界や公共交通産業に新たな発展をもたらすと確信している」とのコメントを寄せた。また、ソフトバンクの宮内謙社長は「滴滴出行の卓越したイノベーション力と、我々の敷く巨大な事業基盤や通信インフラが融合することで、日本の消費者やタクシー業界に新たな価値をもたらすと信じている」と話した。


19日の記者会見場で:左からDiDiモビリティジャパンCEOスティーブン・ジュー氏、ソフトバンク社長・宮内謙氏、滴滴出行総裁・ジーン・リウ氏、DiDiモビリティジャパン取締役・菅野圭吾氏

訪日中国人客から切り込み、高齢者の足へ

両社による合弁会社「DiDi モビリティジャパン」は、2018年秋にも大阪を皮切りに、京都・福岡・東京といった主要都市でサービスを順次展開していく。いずれも訪日中国人客に人気の観光地だ。2020年の東京五輪も見据え、当面は彼らの需要を見込んで事業を運営していく。

日本政府観光局の統計によると、2012~2017年の期間、訪日外国人観光客数は平均して年28%の成長を遂げている。中でも中国・台湾・香港・マカオからの観光客は年平均34%と伸びが大きい。ここに大きな商機を見出したわけだが、今後は日本が抱える高齢化問題もまた、配車サービスへの需要を大きく支えていくことになるだろう。

同社が提供するのは、運転手・乗客向けの配車アプリと、事業者向けの管理コンソール。アプリは中国本国でダウンロードしたものが日本でそのまま使用できる仕様で、日中翻訳機能も備える。さらに、同アプリの海外版は国際ローミングサービスを開始する計画だ。


「滴滴出行」アプリ日本語版の利用画面(乗客側)


「滴滴出行」アプリ日本語版の利用画面(運転手側)

高い乗車賃に法律の壁…参入には障壁も

業界規模として世界第3位の“タクシー大国”である日本だが、参入には障壁もある。第1に、高いタクシーの乗車賃。第2に、法律の壁だ。海外のライドシェアサービスといえば、一般のドライバーが自家用車を使って乗客を運んだり、いわゆるヒッチハイクのような相乗りを提供したりがポピュラーだが、日本の道路運送法でこれらは禁じられている。日本でのサービスはあくまで、タクシー会社に在籍するプロのドライバーと乗客のマッチングに限られるのだ。

滴滴出行は2012年に北京で設立。登録されているドライバーは200万人、ユーザーは5億5000万人で、タクシー以外に乗り合いバスや私用車、レンタカー、シェアサイクル、運転代行、法人向けサービスなど幅広く提供している。1日当たりの受注額は3000万元(公称)とされる。滴滴出行は、ライドシェアの世界7大大手と言われるグラブ(シンガポール)、Lyft(米国)、Uber(米国)、Ola(インド)、99(ブラジル)、Taxify(エストニア)、カリーム(UAE)と世界規模での事業提携も試みているとのことだ。

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