人型ロボット、2030年に51万台 中国が量産で優位

米市場調査会社IDCがこのほど発表した最新リポートによると、世界の人型ロボット(ヒューマノイド)市場の出荷台数は2030年までに51万台を突破する見通しだ。2025年から2030年にかけての市場の年平均成長率(CAGR)は95%に達する。

同リポートは、ロボット本体技術の向上、マルチモーダル知覚の融合、そしてビジネスモデルの継続的な改善に伴い、人型ロボット業界は「技術検証の段階」から「大規模な実用化の段階」へ移行しつつあると指摘。今後の競争の焦点は、実際の現場における応用能力や商業的な価値を提供できるかどうかに移行している。

人型ロボット産業の立ち上げ段階において、中国企業はすでに初期段階で顕著な優位性を確立している。2025年には中国企業の出荷台数が世界全体の約95%を占めると予測され、複数の主要メーカーが2026年頃には「1万台規模」の生産能力を実現する計画を立てている。

製品形態では、まだ「技術的な課題が多い」二足歩行ロボットに比べ、車輪式人型ロボットは高い安定性と実用化のスピードを強みに、2030年までの年平均成長率(CAGR)は120%に達するという。

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中国企業がコスト管理と量産効率で圧倒的な優位性を誇る背景には、強固なサプライチェーン体制と、モーター、バッテリー、減速機といったロボットの心臓部にあたる中核部品分野での深い蓄積にある。さらに、成熟した新エネルギー車(NEV)産業がもたらす大規模製造能力は、ロボット製造へと応用される強力な波及効果を生み出し、中国メーカーがグローバルなサプライチェーンで高いシェアを確保する後押しとなっている。

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ビジネスモデルの面ではRaaS(Robot as aService、サービスとしてのロボット)の普及が加速しており、レンタルやサブスクリプションモデルが利用のハードルを下げている。しかし、現在の人型ロボットは、安定性、連続稼働能力、複雑な環境への適応性などの面で依然として明らかな課題を抱えている。そのため、短期的には製造、物流、小売、サービス業などの限定されたシーンでの商業化が中心となり、具体的には、運搬、仕分け、巡回点検、簡易組立、案内などのタスクが実行可能である一方、家庭向け消費市場への普及にはまだ時間がかかる見通しだ。

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(36Kr Japan編集部)

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