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量子コンピューティングを手がける中国の「本源量子計算科技(Origin Quantum)」がシリーズAで資金調達を行った。主な出資者は政府系ファンドで、中国互聯網投資基金(CHINA INTERNET INVESTMENT FUND)がリードインベスター、国新基金(China Reform Fund)、建銀国際(CCB International)などがコ・インベスター。調達した資金は量子コンピューターや量子コンピューターチップなどの製品や、量子計測・制御などのコア技術を研究する資金に充てられる。本源量子は過去にもエンジェルラウンドで中科創星(CASSTAR)などから出資を受けている。
本源量子は2017年に設立され、中国科学院量子情報重点実験室を母体とし、中国の量子計算分野のトップ研究者である郭光燦氏、郭国平氏が研究を主導している。研究開発チームのコアメンバーはいずれも中国科学院のコンピューターおよび物理分野の博士で、従業員全体に占める研究開発人員の割合は75%だ。1990年代生まれの若手を主体とし、本社を安徽省合肥市に構え、四川省成都市や広東省深圳市にも支社を置く。
同社は量子コンピューター、量子チップ、量子計測・制御、量子計算ソフトウェア、量子計算クラウドを幅広く手がけ、フルスタックの量子計算技術を開発することを目標に、米Google、IBM、Rigetti Computingをライバルと見据える。
昨年は初の量子コンピューター「本源悟源」の開発に成功した。自主開発した6ビットの量子プロセッサー「夸父(KF C6-130)」を実装、超電導ソリューションを採用したもので、IBMが2017年に発表した製品をベンチマークとしている。チップ、計測・制御、ソフトウェア、クラウド、制御システムに至るまで独自に開発したものだ。現在は24ビットの量子コンピューターがデバッグ段階に入っており、旧正月(2月中旬)前後にもローンチされる予定で、今年末から来年初めにかけては64ビットの量子コンピューターをローンチする予定だという。
現在の進展度合いからすると、本源量子は超伝導技術では約3年分IBMから遅れを取り、半導体技術では約2年分インテルから遅れをとっている状況だ。
チップに関しては、第一世代の2ビット量子プロセッサー「玄微(XW B2-100)」や前出の夸父(KF C6-130)などを含む10種以上を発表済み。昨年11月には、中国科学技術大学との共同研究チームが新しい半導体量子チップのアーキテクチャーの模索において重要な進展を果たした。
製品の商用化に関しては、昨年9月にローンチした悟源のクラウドプラットフォームを利用する企業がすでに100社を超えているうえ、量子コンピューター本体とソフトウェア、ハードウェアの販売契約もすでに多数結ばれている。
(翻訳・愛玉)
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