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中国を代表するパソコン製造企業レノボグループ(聯想集団)のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)として、レノボ・キャピタル(聯想創投)は、出資やインキュベーションを通じ、レノボの将来を担う高成長・高ポテンシャルな機会を見出そうとしている。
レノボ・キャピタルは2016年の設立以来、「IoT、エッジコンピューティング、クラウド、ビッグデータ、AI」など産業インターネット関連分野に焦点を当ててきた。現時点で、レノボ・キャピタルは200社近いテクノロジー企業への出資を成功させている。このうち、上場を果たした企業は10数社あり、40社近くがニッチ分野でユニコーン企業となっている。
7月12~23日に開催された「2021年レノボ・キャピタル・ウィーク(2021聯想創投週)」の期間中、レノボグループ高級副総裁でレノボ・キャピタル総裁も務める賀志強(George He)氏がメディアの合同取材に応じた。以下はインタビュー内容を要約する。
--我々は現在、テクノロジー産業に注目しています。中国国内産の製品へ置き換えが進む環境下では投資可能なターゲットが多数存在するからです。特にチップなどではバブルが発生していると考えています。レノボ・キャピタルでは、テクノロジー分野への投資をどう考えますか。 また、貴社の投資の強みは。
賀志強「数年前のシェアサイクルブームのように、一定の期間ごとにどこかの業界でバブルが発生している。これは人間の本質が決めているものだ。投資の本質について我々のメンバーたちに最も強調していることは、戦う相手は人間の本質だということだ。欲張らず、恐れず、感情的にならないように常に自らに言い聞かせねばならない。これが投資に対する姿勢の一つ目だ」
「二つ目は、我々は投資に際して最終的に価値を追求すべきであり、価値についての判断を行わねばならないということだ。特定の業界でバブルが起こった時、私がメンバーたちに望むことは、やはりアーリーステージ(創業間もない企業)への投資案件がより多く必要だということだ。我々は比較的早い段階でどこに投資すべきかの判断を下せるが、これも我々の強みだ」
「たとえば、我々が投資する『思特威電子(SmartSens)』は、世界をリードするCMOSイメージセンサーチップの設計企業だ。我々は企業価値が10億元(約170億円)に満たない頃から連続してこの企業へ投資し、同社はIPOを目指すほどのトップ企業となっている。この例からもアーリーステージ投資のメリットは明らかだ」
--自動運転分野における投資のチャンスについてどうお考えですか。
「レノボ・キャピタルでは自動運転技術を手掛ける『軽舟智航(QCraft)』に、2シリーズ連続で投資した。同社の特徴は中国で唯一、米グーグル系の自動運転開発企業Waymo(ウェイモ)をバックグラウンドに持つ点だ。現在、中国国内の自動運転開発企業は基本的に全てバイドゥ(百度)系だ」
「また、車載プロセッサーなどを開発する『芯馳科技(SemiDrive)』に対しては、2017年のエンジェルラウンドから投資を開始している。同社は前シリーズで評価額が100億元(約1700億円)に達したが、我々が投資を開始した時点では3億元(約50億円)だった」
「自動車業界の最重要ニーズはサプライチェーンの安全性なので、客観的な見方も必要だと考える。実際は自動車業界だけでなく、あらゆる業界が安全性を考慮してているため、半導体企業の成長はサポートするべきだ。これはバブルではなく、ボーナスステージだと考える」
--投資業界ではプライベートエクイティ(PE)とベンチャーキャピタル(VC)の境目が曖昧になるなど、市場が激変しています。このような変化の中で、レノボ・キャピタルは戦略調整をしますか。CVCと国営VCが市場シェアを寡占しているという声も聞かれますが。
「最初の質問については、レノボ・キャピタルでは設立当初から一貫して『アーリーステージのテック企業』への投資が主軸だ。我々の投資の8割はシリーズAとシリーズBに集中している」
「残り2割のプロジェクトには制限を設けないが、投資の是非を判断する基準は存在する。たとえば、 新興EVメーカー『蔚来汽車(NIO)』への投資後、我々は車載バッテリー企業に投資しようと考えた。バッテリーは新エネルギー車にとって重要だからだ。我々の眼鏡にかなった企業は800億元(約1兆3500億円)もの出資を求めてきたが、我々はそれでも投資を実行せねばならない」
「CVCも一般のVCもそれぞれが強みを持ち、それぞれが良い仕事をしていると感じる。ここ数年はVCのエコシステム全体が非常に活発だと思う。これは良いことだ」
(翻訳:浅田雅美)
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