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世界中で人気を集める子ども服専門D2Cブランド「PatPat(パットパット)」が、シリーズCとシリーズDで計5億1000万ドル(約560億円)を調達していたことが分かった。シリーズCのリード・インベスターは「今日資本(Capital Today)」、General Atlanticおよび「鼎暉投資(CDH Investments)」、コ・インベスターはSIG Asia Investments、「鴎翎投資(Ocean Link)」、「渶策資本(INCE Capital)」など。シリーズDのリード・インベスターはDST Global、コ・インベスターはGeneral Atlantic、鴎翎投資、GGV Capitalなど。両シリーズとも「指数資本(Index Capital)」がアドバイザーを務めた。
同社はこれ以前にも、IDG Capital、「峰瑞資本(FreeS Fund)」、SIG Asia Investmentsおよびセコイア・キャピタル・チャイナなどから資金調達している。
PatPatは2014年に設立されたブランドで、ユーザーはすでに100以上の国と地域に広がっている。中国国内では深圳、広州、仏山および杭州にオフィスを構え、国外では米国のサンフランシスコとロサンゼルス、英ロンドン、アイルランドのダブリン、フィリピンのマニラなどに事業拠点を置いている。同社の紹介によると、現在のところ世界最大かつ最も急速に成長している子ども服専門のD2Cブランドとなっている。
デザインが単調な上に新商品リリースのペースが遅いベビー・マタニティ用品市場の中で、PatPatはデザインの豊富さと品質の良さで高い競争力を発揮している。マーケティングサービスの「一網互通(Onesight)」と「Morketing」による海外進出ブランドのSNS上の影響力に関するリポート「BrandOS TOP 100」では、PatPatは電子商取引(EC)部門で1位、総合部門で9位となっている。また、米国の子ども服ブランド推薦度ランキングでも上位に位置するなど、米国の消費者からも広く支持されている。
PatPatは、ビッグデータとAI(人工知能)技術を活用して管理・運営効率を高めると同時に、三つの面でその他の海外向けDtoCブランドとの差別化を図っている。
一つ目は、サプライチェーンの管理・運営。同社は自社開発したデジタル化システムをサプライチェーン全体に適用し、ビッグデータとAIを活用してリアルタイムに流行の傾向を捉え、データを収集・分析する。商品開発やデザイン、販売量予測などの機能も強化している。
二つ目は、世界に広がる消費者のニーズを分析するシステム。中国国内と国外に専門の消費者分析チームを抱え、世界中の消費者ニーズを迅速に捉えている。同社の公式サイトの利用者数はここ数年、毎年3倍以上の急速な伸びを見せている。
三つ目は、品質管理。子ども服の品質と安全性に対する要求水準は非常に高い。同社は製品の全数検査を実施し、品質面で競合他社を上回ることに力を入れている。
PatPatの役員は、王灿(Albert Wang)氏、高灿(Ken Gao)氏、胡萌氏の3人。いずれも米カーネギーメロン大学でコンピューター関連を専攻し、 OracleやAmazonなどのテック企業で経験を積んだ人物だ。
同社では主に1990年代後半生まれの若者が管理職として腕を振るっており、組織のあり方もフラットなため、優秀な人材が長期的に活躍している。今後も強力なブランド力を背景に、多くの優秀な若手人材を集めていくだろう。
今後の戦略としては、欧米市場におけるブランド力を武器に中東および南米市場に進出する方針だという。また、持ち前の技術力で全世界の子ども服業界のサプライチェーンを再構築したいとの目標も掲げている。
PatPatは資本力を背景に、今後3〜5年以内で全世界の子ども服市場への戦略的進出を完了し、消費財ブランドとして世界的な影響力を手にする計画だという。
(翻訳・田村広子)
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