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短編動画アプリTikTokの本国版「抖音(Douyin)」は今年、デイリーアクティブユーザー6億8000万人達成の目標を掲げた。運営会社のバイトダンス(字節跳動)は「人気アプリ工場」とも呼ばれ、過去にもニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」を大ヒットさせており、TikTok以前はこれが同社の看板アプリだった。
その今日頭条が新たな市場を開拓するため、二つの事業部を立ち上げたことが36Kr傘下のメディア「Tech星球」の独自取材でわかった。
新事業部の一つは金融、テクノロジー、軍事などの専門コンテンツを提供するスマート閲覧ツール「識区」を開発する。コンテンツが自動でレコメンドされ、ユーザー同士が交流したり、「いいね!」やコメントができたりするなど、SNS機能も備えている。現在、社内でWEB版のテストが行われており、タグラインは「あなたの読む世界を定義する(定義你的閲読宇宙)」と決まった。
今日頭条のもう一つの新事業はブラウザだ。ある関係者によると、仮名称は「悟空」。独自の検索エンジンを搭載したブラウザで、デイリーアクティブユーザー1000万人台を目指すという。バイトダンスにとって、悟空は「抖音搜索」、「頭条搜索」に次ぐ三つ目の検索エンジンだ。
今日頭条はリリースされて9年。インターネットの世界では若くはない存在だ。シフトチェンジするには、さらなる変化や成長を求めることが重要となる。
今年第1四半期、今日頭条の月間アクティブユーザーは2億8000万人を超えた。モバイルデータのサービスプロバイダー「極光大数據(JIGUANG Big Data)」によると、1日あたりの新規ユーザー獲得数は2019年第3四半期、2020年第2四半期、2020年第3四半期に伸び悩み、2020年第3四半期には前年同期比54万3000人減となった。成長は停滞どころか下落に転じており、プレッシャーとなってのしかかっている。
今回立ち上げる二つの新事業は、新たな市場開拓というよりは、既存のユーザーを引き留める意図だろう。インターネットトラフィックの天井が見えてきた現在、今日頭条はぬるま湯から抜け出して事業の多様化に挑む。今日頭条の評価額は現在1800億ドル(約19兆7500億円)。新事業が順調に育ち、抖音と肩を並べるほどになれば、バイトダンスの国内事業にとって重要な成長の柱になるだろう。
(翻訳・愛玉)
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