「中国製AI排除」に異論 NVIDIAフアンCEO「脅威はゼロ」
米半導体大手NVIDIA(エヌビディア)のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は独占インタビューで、米国は中国のオープンソースAI(人工知能)モデルを締め出すべきではないと述べた。7月22日(現地時間)に、米経済メディア「Axios」が報じた。 フアン氏は、「中国の大規模モデルは非常に優れている」と語り、「優れたオープンソースの大規模モデルは活用されるべきだ」と付け加えた。
この発言は、トランプ政権の一部高官や米国のAI研究所が、中国のオープンソースモデルの利用を制限するようワシントンに働きかけていることを背景にある。この前の7月16日には、中国のAI開発企業「Moonshot AI(月之暗面)」がオープンソースモデル「Kimi K3」を公開。その優れた性能と低コストを強みに、米国のテクノロジー業界に緊張感をもたらしていた。
フアン氏は、中国のAIが米国に実質的な脅威をもたらすとは考えておらず、「中国が米国企業を市場から追い出す可能性はゼロだ」と明言した。また、「中国のAIモデルをダウンロードすると、北京にバックドアが仕込まれる」という懸念に対しては、「誤解」であると反論した。むしろ、単一モデルに過度な依存をする方が、業界全体をより脆弱にするとの考えを示した。同時に、無料で優れたオープンソースのAIモデルは業界全体のユーザー基盤を拡大するのに役立ち、チップやデータセンターなどのハードウエア需要の増加もけん引すると指摘した。こうした発言の背景には、NVIDIA自身の商業的な利益があるとの見方もある。
中国がコスパの良いAIモデルを次々と投入していることで、これまで「米中のAI技術には大きな差がある」とみられていた業界の常識が崩れつつある。多くの海外メディアは、この動きがシリコンバレーにかなりの動揺を与えていると伝えている。
(36Kr Japan編集部)