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消費者向け遺伝子検査サービスを展開する中国のバイオテック企業「Genebox(基因宝)」がエンジェルラウンドで3600万元(約5億9000万円)を調達したことが36Krの取材でわかった。出資者は薬局チェーン「ダーシェンリン(大参林)」と個人投資家。
近年発展目覚ましいDNAシークエンシング技術は、実施コストも大幅に下がっている。検査料は1000ドル(約11万円)以下、中には100ドル以下のものも出てきた。中国国内における消費者向け遺伝子検査の相場は400~600元だが、米国の場合は検査料が100ドルを切ってから利用者が爆発的に伸びたという。Geneboxでは検査料を400~500元に設定している。
36Krではこれまでにも複数の消費者向け遺伝子検査サービスを紹介してきた。「23魔方(23mofang)」は約20万人、「微基因(We Gene)」「水母基因(somur)」はそれぞれ約10万人にDNA検査を提供してきた。
Geneboxはこれらの競合企業と比較し、以下の2点で差別化を図る。
1)迅速な検査
一般的なDNA検査は申し込み、支払い、唾液サンプル採取、郵送、検査、結果通知まで平均して10日かかるが、Geneboxはデジタル処理によって検査時間を大幅に短縮、わずか72時間で結果を出す。
2)検査の実用性
Geneboxは検査結果を提供するだけではなく、検査結果をもとに顧客の食事、睡眠、運動、スキンケアなどを指導する。中国の消費者向け遺伝子検査は黎明期で、製品体験が差別化の最大の鍵になるからだ。今後は、今回の出資者であるダーシェンリンとの協業も模索していく。
ターゲット顧客を若年層に設定しているため、広報は微博(ウェイボ)、微信(WeChat)、動画共有アプリなどのソーシャルメディア上でインフルエンサーを通して展開する。微信の公式アカウントやアプリ、ミニプログラムを11月初旬にローンチした。また、全国に3600店を構え、多くの会員を擁するダーシェンリンも顧客獲得のルートに組み込む。
Geneboxは2018年、北京で設立した従業員約50人のバイオテック企業。共同創業者でCEOの李智氏は武漢大学で生命科学を専攻し、米ファンドのウォーバーグ・ピンカスやスイス最大の銀行UBSで企業投資や新規株式公開(IPO)案件などを担当してきた。(翻訳・愛玉)
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