厚さ3mmの”人工皮膚” 中国発ロボット触覚センサー、評価額2400億円に

フィジカルAIとロボット触覚センサーを手掛ける中国スタートアップ「一目科技(Yimu Technology)」はこのほど、シリーズEで複数の事業会社や大手投資機関から10億元(約240億円)超を調達した。調達後の評価額は100億元(約2400億円)を突破した。資金は基盤技術の改良と製品の量産・供給体制の強化に充てられる。

人型ロボット(ヒューマノイド)が抱える課題のひとつが、繊細な作業に欠かせない「触覚」の不足だ。一目科技はこの課題に対応するため、厚さ3ミリ以下という世界最薄レベルの量産型バイオニクス視触覚センサーを開発した。

超小型の光学システムで柔軟素材の変形を捉え、アルゴリズムで圧力や表面の質感を解析する仕組みだ。0.005N単位というごくわずかな力の変化を検知でき、100万回以上の押圧にも耐える。同社の紹介によると、主要な性能指標の9割は、すでに人間の指先に匹敵する水準に達しているという。

人型ロボット向け6軸力覚センサー、市場シェア7割 中国新興、半年で3回目の資金調達

一目科技は「触覚センサー」「ロボットハンド」「データセット・AIモデル活用」の3層からなる製品体系を構築しており、なかでも触覚デバイスが主な収益源となっている。その視触覚ソリューションは、ヒューマノイド開発だけでなく、自動車製造や高度な産業組立の現場など、世界各地で導入が進んでいる。

一例として、電池パックの組み立て・検査工程では、同社のロボットが1つの作業を終えるまでの時間を、当初の100秒から15秒にまで短縮。すでに人手による作業速度を上回っているという。

同社はまた、スタンフォード大学などの研究機関と共同で、オープンソースのデータセットプロジェクト「TouchNet」を推進中だ。フィジカルAI分野における標準化されたデータ基盤の構築を目指している。

「EVの二の舞」を避けられるか。中国ヒト型ロボット、日本の部品メーカーに求める役割(後編)

*1元=約24円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

日本企業のDXを促進するプラットフォーム「CONNECTO」
無料コンテンツ公開中

最新記事