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企業向けCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)ベンダーの「销售易(Neocrm)」が新たに7000万ドル(約78億円)の資金調達を行った。今回調達した資金は主に製品・技術のアップグレードと業務拡張に充てられる。これまで手掛けてきた企業向けのB2B製品の基盤を固め、消費分野向けのB2C製品を強化していく。
销售易は2011年に設立された。中国では最も早い時期にCRMサービスを提供しはじめた企業の一つだ。2017年にシリーズDで2億8000万元(約48億円)、2018年にシリーズD+で1億元(約17億円)、2019年にシリーズEで1億2000万ドル(約134億円)をテンセントから調達している。これ以外にも「セコイア・キャピタル(紅杉資本)」「経緯中国(Matrix Partners China)」から資金調達を行っている。
B2Cは销售易が一貫して重視している分野だという。創業者の史彦沢CEOは同社の企業理念について「企業の再構築や顧客とのつながりをサポートする」ことだと述べている。
销售易はB2Cの消費分野向けCRMサービスを拡大しているが、自動車・小売り・金融業界には早くからサービスを提供している。2018年にはWeChat(微信)とミニプログラムを利用し、顧客企業がディーラー・設備業者・最終消費者とつながれる機能を実用化している。2019年からはWeChatの企業版「WeChat Work(企業微信)」と提携し、自動車・インテリア・教育業界向けのソリューションを提供している。
WeChat WorkがWeChatと連携してからは、企業と消費者のつながりがより緊密になった。また、今年はプライベートトラフィックの活用がブームになったことで、CRMの可能性がより広がった。SCRM(ソーシャル・カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)やCEM (カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)を提供するベンダーも誕生した。
同社はSCRMへの展開を強化することを決定し、今回の資金調達を発表すると同時に、スマート店舗のためのデジタル化プラットフォーム「易店」、マーケティング・販売・サービスを一体化したSCRMプラットフォーム「易客」および企業向けECプラットフォーム「電商雲」の3つの新製品をリリースした。
易店は小売りやベビー・マタニティ用品、生鮮食品などの消費分野でチェーン展開する企業のサポートを重視している。オンラインとオフラインを連動し、WeChat上でのスマート買い物ナビ、オンライン会員カード、ミニプログラムモール、スマート会員管理などを通じて、会員の定着率とリピート率を向上させ、スピーディかつ低コストでデジタル化経営を実現する。
易客は高付加価値の消費財業界に向け、WeChat Workをベースに、顧客接点の獲得や販売トラッキング、インタラクティブマーケティング、アフターサービスなどの総合的機能に加え、スマート会員管理とミニプログラムによるオンライン販売を統合したサービスを提供する。自動車や銀行、保険、教育、インテリアなど顧客単価が比較的高い消費財業界において販売からサービスまでの全ライフサイクルをカバーするプライベートトラフィック運営ソリューションを構築する。
電商雲は企業がオンラインショッピングモールを柔軟に構築し、スマート買い物ナビや会員管理などを統合することで、プライベートトラフィックのクローズドループを構築する。顧客と直接つながり、多様なマーケティング手法にトラフィックを活用し、転換率とリピート率を向上させ、プライベートトラフィックのマネタイズを実現していく。
これまで销售易の顧客はB2B分野に集中していた。史CEOは「当初はB2B向けの製品をB2Cに応用しようとしたが、後になってそれはできないことが分かった」と語る。
B2B向け製品がB2Cに応用できない理由は全体のプロセスの違いにある。B2BのCRMは顧客接点の獲得から現金が入ってくるまでのプロセスを重視する。B2Cはマーケティングから会員運営、サービスまでのプロセスをより重視する。両者に求められるデータ処理能力も異なる。B2Bでは通常、大量のデータ分析は求められないが、B2Cはデータ量が大きいことに加えてさまざまなタイプのスマート化に対する需要がある。
B2Cの消費業界の顧客が求めるスマート化やプライベートトラフィックの運営などに対して、销售易はより多くの人材、資金、時間を投入し、専門的なサービス能力を備えたチームを構築する必要がある。これも今回の資金調達の主な理由だ。
史CEOは「市場がここまで成熟したら、今後必ず頭角を現す企業がでてくる。销售易はB2B分野ではすでにトップ企業だ。B2Cでもトップ企業を目指さない理由はない」と述べた。
(翻訳・普洱)
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