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中国製のスマートフォンが世界を席巻している。2017年第2四半期、ファーウェイ(華為技術)、シャオミ(小米科技)、OPPO、vivoという中国4大メーカーが世界の上位6位に食い込んだ。残りの2社は韓国のサムスンとアメリカのアップル。各社の市場シェアや成長率の推移から、現況を紐解いてみる。
サムスン―凋落する帝王
世界のスマートフォン市場で頂点に立ったサムスンだが、この1年、状況は不穏な方向へ急展開している。
2016年、同社製の「Galaxy Note7」はバッテリー不具合で130万台がリコール対象となった。翌年は世界シェアを伸ばしたが、第4四半期に入ると中国の4強に押されるようになった。
すでに世界各国へ進出済みだったサムスンには、新規市場開拓という切り札も残されていない。スマートフォンのグローバル市場が2017年第4四半期から4四半期連続で縮小したのと歩調を合わせるかのように、サムスンの売り上げも下降線を辿っている。
直近の6四半期を見ると、サムスンはトップ6で最も伸び悩んだスマホメーカーということがわかる。
今年に入って第3四半期までの期間、サムスンのスマホ出荷台数は9%減の2170万台だった。これは中国市場を失ったに等しい数字だ。今年第3四半期だけを見れば、マイナス成長を記録したのは上位6社のうちサムスンのみだ。
アップル―安定期で推移
毎年9月の1回のみ新機種を発表するアップルは、もともと1年を通じて売上高の変動が大きい。しかし、2016年ごろから、出荷台数や市場シェアには新機種発表時期の影響がさほど見られず、安定している。2017年第1四半期から2018年第3四半期まで、成長率は前年同期比1.5~3%で推移した。
アップルはグローバル市場の影響をさほど受けないようだ。成長期のファーウェイやシャオミには及ばないが、同じく安定期にあるサムスンと比較すれば順調に成長していると言えるだろう。ただし、今年発表したiPhone XSシリーズとiPhone XRシリーズの人気が振るわず、11月23日時点の時価総額は8200億ドル(約93兆円)に落ち込んだ。
ファーウェイ―サムスンを猛追
2018年第2~第3四半期の出荷台数でアップルを超え、通年で2億台を突破すると見込まれている。出荷台数と市場シェアの双方で伸びており、2017年第2四半期から6四半期連続で市場シェア10%超えを達成。直近の2四半期では14%を超えた。
成長率でも目を見張るものがある。2017年第1四半期から2018年第3四半期までほぼ10%以上を維持している(2017年第4四半期のみ9%)。この成長率はシャオミに次ぐもので、このまま推移すれば、2019年にはアップルを超える可能性も出てきた。
ファーウェイのコンシューマー事業部CEOである余承東(リチャード・ユー)氏は最近、米ニュース専門局CNBCのインタビューで「2020年にもサムスンを超えて世界首位に立つチャンスはある」と発言している。
2014年第1四半期から現在にかけての市場シェアを見ると、サムスンが約30%から20%台へ下降し、アップルは15%前後で推移しているのに対して、ファーウェイは約5%から約15%へと増加している。現在では3社がほぼ拮抗した形だ。
シャオミ―最大の急成長株
2016年の低迷期を経て2017年第2四半期に市場シェア6%を奪還し、急成長期に入ったシャオミは、同年第4四半期には世界4大メーカーに名を連ねるまでになった。出荷台数でも市場シェアでも上昇を続け、直近の2四半期でシェア9%台を獲得している。
2017年第2四半期から2018年第3四半期にかけては、20%超の成長率を維持している。うち3四半期では成長率が80%超に達した。6社で最も急成長を遂げたメーカーだ。
シャオミの急成長を後押ししたのは海外市場だ。インドでシェア1位となったほか、現在はEU市場の開拓にも注力している。反対に、国内では急激に失速しており、直近の2四半期では成長率が40%以上も減少した。国内外市場でともに好調なファーウェイとは対照的だ。
OPPO、vivo―成長期に終止符
OPPOとvivoの2社は同じような経過をたどっている。出荷台数は安定して増加しており、直近の1四半期で歴代最高記録を更新。OPPOは3990万台(シェア9%)、vivoは3050万台(シェア8%)だった。
2社の急成長期は2017年第1四半期~第3四半期。OPPOは25%以上、vivoは30%以上の成長率を維持した。中でも2017年第1四半期は著しく伸び、OPPOは98%増、vivoは82%増を記録した。同年第4四半期からはスマホ市場は世界的に不振で、2社もこのあおりを受けることになった。2018年第1四半期に減速はピークに達し、その後は徐々に回復傾向にある。
OPPOとvivo 、ファーウェイとシャオミ。両者の違いは、海外市場での競争力だ。海外戦略に長けていれば、OPPOとvivo がグローバル市場不振の影響をこれほどまでに被ることはなかっただろう。
総括すると、2018年第3四半期時点での4社の違いは、国内外市場ともに好調なファーウェイ、国内での失速を海外の急成長で補填したシャオミ、国内外ともに微成長のOPPOとvivoといったところだろう。
国内市場頼みのOPPOとvivoは、総出荷量の7割以上が国内向けとなっている。対してファーウェイは約5割、シャオミは約4割だ。この違いが、事業全体の成長に小さくない影響をもたらしている。
(翻訳・愛玉)
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