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商用電気自動車(EV)を用いた物流ソリューションを提供する「地上鉄(DST)」がシリーズDで2億ドル(約228億円)を調達した。シリーズD1のリード・インベスターは「中金資本(CICC Capital)」傘下の「山東緑色発展基金」。シリーズD2のリード・インベスターは世界的投資機関、コ・インベスターは既存株主のスウェーデンの家具大手イケア(IKEA)親会社「インカ・グループ(Ingka Group)」、財務アドバイザーは引き続き「泰合資本(Taihe Capital)」が務めた。調達した資金は、バリューチェーン全体の強化、デジタルプラットフォームの構築、運用・保守ネットワークの拡張に充てられる。
2015年に設立された地上鉄は、政策によるチャンスをとらえ、手堅い需要が見込まれた車両リース事業を足掛かりに小型トラック業界に参入した。同社は宅配便や都市配送を手掛ける大手物流企業に新エネルギー物流車の長・短期リースやカーシェアリング、販売、運営サポートサービスを提供する。
地上鉄はオフラインとオンラインを連携させたデジタルサービスネットワークを構築している。環境に配慮し、デジタル化・インテリジェント化した安全な集約型運用サービスプラットフォームを構築することで、物流企業、都市の配送ドライバー、商用車メーカー、コア部品メーカー、バッテリー、保険・金融、メンテナンス、バッテリーカスケード利用などのエコシステムパートナーをつなぎ、作業用車両のカスタマイズ、柔軟なリース・販売サービス、充電・運用・保守・点検サービスの可視化、バッテリーのカスケード利用などバリューチェーン全体をカバーするデジタル運用システムを実現した。これまでに地上鉄のサービスを利用した企業は約4000社に上る。中国200都市で約5万台の車両を管理・運用しており、サービスステーションは8000カ所以上、充電スタンドは約20万基で、500社以上のメンテナンス業者と提携している。
2021年に中国の車載電池メーカー大手「寧徳時代新能源科技(CATL)」と戦略的パートナーシップを結んでバッテリー利用に関わる管理体制を確立し、サービスの標準化から資産の標準化へと移行した。同時に、シンガポールの公共交通運営大手「SMRTコーポレーション」や伊藤忠商事とも提携し、シンガポールと東南アジア、および日本で、配送用EVの商用運営・管理事業を共同展開している。
同社創業者兼CEOの張海瑩氏は「新エネルギー物流車は、スマートデバイス、分散型モバイルエネルギー、移動式倉庫としての性質を備えているため、これを運用することにより、車両とユーザーの全ライフサイクルにおけるバリューチェーンは必ず質的変化を遂げる。地上鉄はニッチな運用シーンを中心にバリューチェーン全体のさらなる開発を行い、都市のスマート交通やスマート物流のアップグレードを促進していく」と述べている。
公表されている情報によると、地上鉄は2021年5月にシリーズCの資金調達を完了したばかり。シリーズB、Cの出資者には伊藤忠商事も名を連ねている。
(翻訳:浅田雅美)
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