TikTokがO2O機能「抖店」をリリース 「大衆点評」に近づく?

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

マーケティング注目記事

TikTokがO2O機能「抖店」をリリース 「大衆点評」に近づく?

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

ショート動画アプリ「TikTok(抖音)」は新機能「抖店(Doudian)」をリリースした。プラットフォームで集客し実店舗への来客につなげるO2Oマーケティングツールだ。

店舗は「POI(Place Of Interest)」として位置情報を登録することで専用ページを運営できる。ユーザーがTikTokに動画を投稿する際、対応するPOIにチェックインすると、店舗ページへユーザーを誘導でき、オンラインクーポン配布などのプロモーションへつなげられる。また、店舗などに掲示されたQRコードをスキャンして動画を撮影・投稿したユーザーにクーポンを配布するという利用法もある。

北京近郊の古い街並みで知られる観光地「古北水鎮」は抖店リリースに先駆けた旧正月時期、抖店の試験導入を行い、アクセスを大きく伸ばした。POIに紐づけた専用ページのユニークビジターは540%増、関連動画の再生回数は260%増加し、フォロワー数は55倍に増えたという(いずれも試験運用20日前までのデータとの比較)。古北水鎮で旧正月時期に行われたイベントには3万6000人以上が参加し、関連動画の再生回数は4億1000万回に達した。

POIを導入できるのは飲食店や観光名所に限らず、美容サロンやフィットネスクラブなど多岐にわたる。

TikTokのビジネススキームが中国最大の口コミサイト「大衆点評(Dianping)」に近づきつつあるのは明らかだ。

問題は、TikTokのユーザーをオンラインからオフラインに誘導することの難しさだ。例えば、古北水鎮の例では、試験導入開始後、動画には合計3万7000の「いいね」がついたものの、チェックイン数はわずか7000だった。視聴回数と実際の来訪数のこうした乖離は、TikTokでは珍しくないという。

TikTokも来店へのハードルを下げるため、インフラストラクチャを改善している。たとえば、検索バーに「地点」の項目を追加し、POI検索をしやすくした。POIでヒットした店舗のページをプルダウンすると、経路や現在位置からの所要時間などが表示され、地図アプリに直接飛ぶこともできる。店舗へも、電話に加えてチャットアプリでも問い合わせることが可能になった。

店舗側にとって、TikTok、微博(Weibo)、微信(WeChat)の3つがマーケティング媒体の主流となっているが、TikTokはさらに新たなプロモーションチャネルを提供したことになる。ただし、実店舗が必要とするのは単なる露出ではなく、実際に顧客を呼び込むことだ。そのためにはPOIページの豊富なコンテンツや、ユーザーレビューの細分化、スマートレコメンド機能の向上など、多くの工夫が必要だろう。
(翻訳・神江乃緒)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録