清華大学研究チーム、低消費電力の「自己学習」チップを開発

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清華大学の研究チームはこのほど、世界初の全機能(システム)を集積した、自己学習をサポートする記憶・演算一体型メモリスターチップを開発し、関連研究成果を科学誌「サイエンス」の電子版で発表した。このチップは同じタスクを実行する場合、従来の特定用途向け半導体集積回路(ASIC)の約3%のエネルギー消費で自己学習を実現できるという。
 
人工知能(AI)技術が生産と生活のスタイルを根本から変える中、膨大な演算能力と低消費電力に対するニーズも日増しに高まっている。現在のコンピューターの構成では記憶装置と演算装置が別々にデータの記憶と演算を実行し、データが行き来する「運搬処理」の過程で時間のロスと消費電力が大きく、処理能力向上の妨げとなっている。業界ではコンパクトで消費電力が少なく、オンチップで記憶と演算の両機能を融合できる優れた性能を持った新しい回路素子のメモリスターが、研究の焦点となっていた。
 
清華大学集積回路学院の呉華強院長兼教授と銭鶴教授が率いる研究チームは11年をかけて記憶・演算一体型メモリスターチップの開発に成功した。
 
研究チームメンバーで同学院の姚鵬博士研究員によると、このチップは自己学習能力の向上に必要な全ての回路モジュールを集積しており、画像分類や音声認識、制御タスクなどさまざまな学習効果の検証で高い適応性やエネルギー効率、汎用性、適合率を示した。実用化シーンにおけるスマートデバイスの学習適応能力を強化し、効率を著しく向上させたと姚氏は語る。
 
また、高浜副教授は、このチップの最大の特徴は、低エネルギー消費と自己学習にあるという。今後、より先進的な中央演算処理装置(CPU)の製造プロセス技術を取り入れることで、従来のコンピューティングシステムの100倍のエネルギー効率を実現することが可能で、人工知能(AI)ハードウェアの処理能力の限界を打ち破る革新的な発展の道筋をつけたと指摘した。
 
呉氏によると、同チップは将来的に携帯電話や自動車、データセンターなどの分野で応用が可能だという。(新華社北京)

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