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新エネルギー車の発煙・発火事故に対し、中国国家市場監督管理総局が管理細則を公表した。
国家市場監督管理総局の品質発展局は10月9日、新エネルギー車のメーカーが生産、販売、または輸入した新エネルギー車が発煙・発火事故を起こした情報を確認した場合、事故発生後12時間以内に同局に事故の基本情報を報告する必要があり、発火事故により死傷者が出た場合には、報告期限を6時間以内とすることを発表している。
基本情報以外に、事故発生後48時間以内には、メーカーが「新エネルギー車火災事故情報表(試行版)」に、事故・事件の詳細な情報を記載して報告する必要があると規定されている。前述の報告表の内容を確認したところ、事故現場、メーカー、ディーラー、車両電機、電池充放電効率、電池のメーカー、電池型番、正極材料成分の比例、電気制御システムなどの詳細情報の提供が求められている。
車両の暴走や不慮の加速等による交通事故を起こしたメーカーも前述の期限通りに報告することが求められる。
また、事故発生後の事故原因の分析および詳細な調査のために、メーカーは車両を火災事故救援直後の状態(未修理のまま)に保たなければならない。
さらに、新エネルギー車メーカーが事故発生後、同一モデル、同ロット、または同様の部品を使用する車両の火災リスクの有無を自主的にチェックすることも義務付けている。火災リスクがあると判断された場合、生産者は「欠陥自動車製品リコール管理条例」や「欠陥自動車製品回収管理条例実施弁法」の関連規定に基づき、速やかにリコールを実施しなければならない。
前述のリコール規定から、事故を起こした新エネルギー車メーカーに対する処分の厳しさがわかる。中国のEVメーカー「蔚来汽車(NIO)」は6月27日、発火事件が多発したことにより、EVメーカーとして初のリコールを行い、計4803台のES8をリコールした。電池交換システムを採用したことでリコールコストは大幅に削減できているが、それでも大きな損失が発生したという。
蔚来汽車の第2四半期の財務データによると、自動車のバッテリーのリコールにかかるコストは約3億4000万元(約51億円)だという。これを第2四半期に前倒し計上した結果、損失が約32億元(約480億円)に達し、市場予想の約29億元(約435億円)を超えた。これも蔚来汽車の株価が急落した原因の一つとなった。
今回の新しい規定の公布により、新エネルギー車メーカーの電池に対する安全管理への取り組みが強化されることが見込まれる。規定の細則からすると、メーカーの自主的な検査と改善が求められるだけではなく、管理監督を担当する官公庁も事故調査に関与することになっている。
同規定の第3条において、「市場管理監督総局欠陥品管理センターは生産者が報告した事故情報に基づき、新エネルギー車の事故調査協働ネットワークの専門家を招集し、車両火災事故に対する詳細な調査と分析、欠陥リスクの評価と判定を行う」こととされている。
新エネルギー車業界のオブザーバーによると、この規定により管理監督部門が積極的に動き、これまでの「報告しない」、「部分的な報告のみ」、および「遅れて報告する」等といった行為を根絶することにより、業界の発展のためにもなる。また、メーカーに車両を火災事故後の状態を保つよう要請したことにより、事故原因の究明につながるという。
米国の国家道路交通安全局(NHTSA) が最近発表した公告では、9月17日にテスラ車のオーナー代表から、欠陥調査要請を受けたという。テスラのModel SとModel Xのバッテリーに欠陥があり、車の衝突以外の原因による火災を引き起こす可能性があるとの指摘だ。NHTSAはすでに調査を開始している。
また、中国の工業情報化部が公表したデータによると、2013年から2018年までの間で、中国の新エネルギー車の生産・販売台数はそれぞれ292万台と307万台に達し、世界最大の新エネルギー車市場になった。
新エネルギー車の発展に伴い、電池技術は急速に進歩している。業界の関係者が36Krの取材に対して、以下のように説明した。「2012年は電池セルの単体エネルギー密度が150Wh/kgで、2015年の180Wh/kgになるまで3年間がかかった。180Wh/kgから2018年の260Wh/kgまで到達するのにも同じく3年間がかかった。その一方、この発展スピードの裏に、エネルギー密度の向上以外の課題を無視した可能性がある」
新エネルギー車産業が一定の規模に達した現在、安全と品質管理のシステム化も行われつつあり、これは新エネルギー車の発展のためによりよい環境を作り上げることになるだろう。
(翻訳:小六)
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