バイトダンスのオフィスツール「飛書」、従業員2割削減へ 「業務効率の低下」を痛感

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中国テック大手のバイトダンス(字節跳動)傘下でオフィス向けコラボツール「飛書(Feishu、海外版『Lark』)」を手がける事業部門が、組織再編の一環として人員削減を実施する。

飛書の謝欣・最高経営責任者(CEO)は従業員全員に向けた通知で、「私たちは大きなチームになりましたが、そのせいで組織としての業務効率が低下していると感じているはずです。組織の大きさは、事業を長期的に成長させる上では極めて不利になります」とした上で、人員削減の対象となった従業員に対しては、補償または異動の機会を提供すると説明した。

関係者によると、飛書は現在約5000人の従業員を抱えており、今回の人員削減では全体の2割が対象になるという。

飛書は、2016年にバイトダンスの社内用ツールとして立ち上げられ、19年に一般公開された。新型コロナウイルスの流行でリモートワークの需要が高まった20年、中国ではオフィス向けのコラボツール市場が一気に拡大した。公開からすでに数年を経ていたアリババグループの「釘釘(DingTalk)」やテンセントの「企業微信(Wecom)」は追い風に乗り、利用者数を爆発的に伸ばした。一方、飛書は市場の変化に迅速に対応しきれず、成長機会を逃した。中国の調査会社QuestMobileのデータによると、22年11月時点で、釘釘の月間アクティブユーザー(MAU)は2億5300万人、企業微信は1億1000万人に達したが、飛書はわずか930万人だった。

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飛書は事業戦略を見直し、収益化の加速に取り組んだ。21年には中・大型の法人顧客を中心とする事業戦略を打ち出し、利用者数よりもARR(年間経常収益)に重点を置く方針を定めた。その結果、22年のARRは前年比2.7倍の1億ドル(約150億円)となり、23年にはさらに倍増して2億ドル(約300億円)を超えた。

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ここ2年間の景気回復の遅れを受け、多くの企業はコスト削減と効率向上に取り組んでおり、中国の法人向けサービス市場は低迷期に入った。飛書の今回の人事調整は、市場の課題に対応し、事業の健全さを徐々に向上させるための措置だとみられる。

*2024年3月28日のレート(1ドル=約151円)で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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