省人力化が進む中国 外骨格ロボットスーツを物流業界で導入へ

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外骨格ロボットスーツの研究開発を手がける「邁宝智能科技(蘇州)有限公司」(以下、邁宝智能)がエンジェルシリーズで1千万元(約1億5000万円)以上の資金調達を完了した。「索道投資(SEEKDOURCE)」がリードインベスターとなり、調達された資金は主に製品の研究開発と市場PRに充てられる予定だ。

邁宝智能は「江蘇集萃微納自動化系統与装備技術研究所(Micro-Nano Automation Institute)」からの起業支援を受け、魏巍氏が博士のチームを率いて創業した企業だ。30人余りのチームスタッフの中で、20%が博士、70%以上が修士以上の学歴を有している。

外骨格ロボットスーツはセンサー、制御、情報、インテグレーション、モバイルコンピューティングといった技術を統合した夢のようなウェアラブル機器だ。これらの機械に対する私たちの想像と憧れは、SF小説で馴染みのあるウェアラブルパワードスーツやSF映画によく登場するメタルアーマーから見て取れる。

邁宝智能には、現在2つの製品がある。腰部をサポートするパッシブパワードスーツとアクティブパワードスーツであり、主に製造・物流分野で使用されている。これらは、物流運送の業界標準に基づいて細分化したユーザーグループの物流シーンにおける1000以上の動作を分析して開発された製品である。

パッシブパワードスーツは邁宝智能が最初に発売した製品だ。主に高頻度および反覆する動作を補助し、その作業効率を高め、人体を保護するものだ。いわゆる「パッシブ」とは自発的な動力が無いということで、外部からの働きかけに反応を返すような設計になっている。自重は1.9kgと、現在販売されている同種のスーツの中で最も軽いが、人体の生体力学の特徴に従って設計されており、エネルギー貯蔵ユニットによって腰を曲げる際の位置エネルギーを蓄え、そのエネルギーが体を起こすプロセスで解放され、パワーアシスト効果が実現する仕組みだ。ユーザーは、必要性に合わせて着脱することができ、ユーザーの日常の行動には影響しない。

現在、パッシブパワードスーツは中国の大手物流会社「蘇寧物流集団(SUNING)」や米国の大手小売業者などの労働集約型産業で活用されている。パワードスーツ着用時は、運搬作業者のエネルギー消耗率を50%-60%節約できることが検証済みだ。販売価格は1台数千元(約3万円以上)であり、顧客は半年で購入費用を回収できると魏巍氏は語っている。

もう1つの商品であるアクティブパワードスーツはモーター駆動を採用しており、30kgの物の運搬をサポートすることができる。重さは5.8kgだが、人工知能のアルゴリズムが内蔵されており、ユーザーの歩行の状態と運搬のサイクルを学習すると、自動的にユーザーの動きにマッチするようになる。この製品はすでに家庭用ロボット掃除機大手の「科沃斯(Ecovacs)」や国内有名自動車メーカー等の顧客を獲得しており、販売価格は1台数万元(約30万円以上)となっている。

現在この2つの製品の出荷量は数十台レベルだが、生産規模を拡大し、出荷台数が500台を超えれば十分な利益が出るだろうと魏巍氏は予測している。

邁宝智能は、ハードウェア製品の販売だけでなく着用者のデータマイニングと分析を行い、物流運送管理者の作業効率向上をサポートするクラウドシステムも開発している。

魏巍氏と同社の林西川氏は博士課程を卒業以来パワードスーツの研究に携わっている。当初は主にリハビリテーション医療の分野における研究成果の転用および応用を行っていた。2017年末から2018年初めに、物流分野における作業効率の低さと作業員の採用難、そして作業危険性といった緊急課題を解決するため、製造物流分野の効率改善ソリューションの開発に方向転換した。

外骨格ロボットスーツの将来像について、魏巍氏は「この100年で、自動車が人類の2本の足を解放してその生活を変えた。将来外骨格ロボットスーツも人類の生活に変革をもたらすことができる。私たちの目標は消費者に向き合い、10億人のためのパワードスーツを作って、誰もが自分だけのパワードスーツを持てるようにすることだ」と語る。
(翻訳・桃紅柳緑)

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