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中国市場で不振に陥っている独ポルシェがスマート化に挑もうとしている。
ポルシェの開発チームがスマートコックピットや先進運転支援システム(ADAS)など、スマート化の研究能力を強化するために人員を増やして開発チームの強化を図ろうとしているという。同社の関係者によると、開発チームはポルシェの中国戦略における重点のひとつとされている。
ポルシェの中国開発チームは2022年に組織され、これまで中国に輸入した車両の販売に伴うテスト準備だけを手掛けていたため、メンバーは50人に満たない。今回はポルシェ中国の開発チームが発足してから2度目の大規模な増員になる。
ポルシェに必要なのは、コックピットの音声認識能力の向上と音声コントロール機能の改良だ。ADASの開発担当チームは動き始めているものの、業務の主な内容は中国のスマート化市場の調査と研究だ。これに対し、同じ外資系企業である米テスラは、3年間に中国で400人規模のチームを構築している。
ポルシェの中国での販売台数は2022年に10万台に迫り、同社にとって中国は8年連続で世界最大の市場だった。しかし中国の市場や経済環境の変化に伴い国内メーカーが急速に成長すると、ポルシェの販売台数は23年に7万9000台に減少、24年1-9月期にはわずか4万3000台にまで落ち込んでいる。
ポルシェは今年8月、電気自動車(EV)として2車種目となるコンパクトSUV「Macan(マカン)」を発売した。販売価格は59万8000元(約1300万円)からだったが、初めてのEV「Taycan(タイカン)」が発売されたときのような売れ行きとはならなかった。コストパフォーマンスとスマート化が求められる中国市場において、ポルシェの競争力は低下しつつある。
中国メーカーは低価格で、より広い車内空間と豪華な装備、スマート化の進んだドライビング体験をユーザーに提供することができる。ポルシェは総合的な製品力に欠けているのに割高な価格設定で、ユーザーは手を出すことをためらってしまう。特にネックとなっているのは、スマート化の面で中国メーカーの製品に遠く及ばないことだ。
ポルシェのオーナーによると、音声コントロール機能は車内の温度調節や窓の開閉、音量調節など基本的な指示にも反応せず、目的地の検索やナビゲーション、途中で目的地を変更するといった一段階レベルの上がった指示になると全く役に立たないという。多くのオーナーが「こうした機能はとても必要なのに、ポルシェは中国語を理解できないようだ」とし、音声で目的地の検索ができないので車載のナビゲーションシステムはほとんど使わないと語った。
ポルシェでは、中国市場のオーナーの平均年齢は37歳、半数が女性だとしている。このような消費者層の意識は理想汽車(Li Auto)、蔚来汽車(NIO)、シャオミ(小米)など中国メーカーに向いており、今後はコックピットのスマート化が車両購入時の必須条件になるだろう。ポルシェがスマート化の遅れを取り戻して販売不振を打破するには、多額の投資が必要なだけでなく、スピードアップも要求される。
*1元=約22円で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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