中国、エクイティ投資に回復の兆し 投資額で上海が1位

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中国の起業・投資総合サービス会社、清科創業控股傘下で専門調査・コンサルティングを手掛ける清科研究センターはこのほど報告書を発表し、中国のエクイティ投資市場について、2024年は通年で新規募集ファンド数と募集金額がやや減少したものの、減少幅は24年1~9月より縮小し、市場の強じん性と潜在力が示されたと分析した。

24年に新規募集を完了したファンドの本数は前年比43.0%減の3981本、募集金額は20.8%減の1兆4449億2900万元(約30兆3435億900万円)だった。ただし、24年1~9月と比べると減少幅は本数が6.3ポイント、募集金額が5.2ポイントそれぞれ縮小した。特に第3四半期(7~9月)は複数の大規模なファンドが募集を行ったことから、募集金額が4243億9800万元(約8兆9123億5800万円)と前期比44.7%増加した。

通貨の種類別に見ると、24年は人民元建てファンドが引き続き主導的地位を占め、本数は3942本で全体の99.0%、募集金額は1兆3890億1700万元(約29兆1693億5700万円)で96.1%をそれぞれ占めた。一方、外貨建てファンドの募集規模は低水準で推移し、本数は39本、募集金額は48.6%減の559億1200万元(約1兆1741億5200万円)にとどまった。

ファンドの種類別では、ベンチャーキャピタル(VC)ファンドが1位を維持したものの、本数は45.5%、募集金額は29.8%それぞれ減少した。一方、デット・エクイティ・スワップ(DES)ファンドとM&A(合併・買収)ファンドは本数も募集金額も増加し、うちDESファンドの本数は2倍の18本、募集金額は2.1倍の751億700万元(約1兆5772億4700万円)となった。

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新規募集ファンドの本数を地域別にみると、浙江、江蘇、山東の3省が全国で上位3位となったが、本数・金額ともやや減少した。北京市は募集金額で全国1位に立ち、伸び率が88.2%に上った。これは複数の大規模な産業ファンド、DESファンド、インフラ投資ファンドが北京に所在地を置いたことが主因とみられる。

投資先をみると、24年通年の投資案件数は10.4%減の8408件、投資総額は10.3%減の6036億4700万元(約12兆6765億8700万円)となった。

分野別では、半導体・電子機器業界が1位を維持し、案件数は1923件、投資額は1332億9200万元(約2兆7991億3200万円)だった。情報技術(IT)業界は人工知能(AI)が追い風となり、投資額が30.5%増加した。機械製造、化学原料・加工、自動車など経済・社会の発展にとって重要な「硬科技(ハード・アンド・コア・テクノロジー)」業界への投資案件数と投資額も全体的な傾向とは逆に増加した。

地域別では、江蘇、上海、浙江、北京、深圳ら5省・直轄市の投資集中度が依然として高く、江蘇は投資案件数、上海は投資額で1位となった。北京はAIの大規模言語モデル(LLM)開発企業がけん引役となり、投資額が22.5%増加した。【新華社上海】

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