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中国のLiDAR(ライダー)大手、禾賽科技(Hesai Technology)が3月11日、2024年通期および第4四半期(10~12月)の財務報告を発表した。年間出荷台数は50万台を突破し、前年比126%増を記録。さらに、LiDARメーカーとして世界で初めて通年の黒字化を達成し、営業キャッシュフローも黒字転換した。
ADAS・自動運転市場で存在感拡大
2024年の売上高は、前年比10.7%増の20億8000万元(約430億円)だった。特に第4四半期は売上高が7億2000万元(約150億円)に達し、前年同期から28%増加した。通年の純利益は約1370万元(約2億8000万円)となり、前年の2億4130万元(約50億円)の赤字から大幅に改善、非GAAPベースでも初の黒字を達成した。
その成長を牽引したのは理想汽車(Li Auto)や小米汽車(Xiaomi Auto)など中国の新興EVメーカーだ。さらに、2025年には比亜迪(BYD)も主要顧客となる見込みで、成長の勢いは続くとみられる。
禾賽科技は近年、ADAS(先進運転支援システム)と自動運転レベル4(ロボタクシー)向けLiDAR市場の両分野で大きく成長している。
2024年の第4四半期だけで約7000台を出荷。中国の主要ロボタクシー企業5社(百度Apolloを含む)と独占契約を締結し、長距離LiDARを供給している。
ロボット向けLiDARでは、新型「JTシリーズ」は、従来より70%小型化し、量産初月で2万台以上の出荷を実現し、市場から高い評価を受けた。
欧州大手との大型契約、株価50%急騰
12日には、禾賽科技が欧州の大手自動車メーカーと複数年の独占供給契約を締結したことが明らかになった。
次世代プラットフォーム向けに高性能の長距離LiDARを供給し、EVとエンジン車の両モデルに採用される予定。契約期間は2030年以降までの長期にわたり、海外で量産車に標準装備するLiDARの契約としては過去最大規模とされる。
メーカーの名前は公表されていないが、メルセデス・ベンツとの見方が有力だ。
この発表を受け、禾賽科技の株価は50%急騰。12日の終値は24.08ドル(約3600円)となり、時価総額は30億7000万ドル(約4600億円)に達した。同社の株価は2024年12月時点で4ドル台だったため、わずか数カ月で時価総額が6倍に増加したことになる。
2025年の出荷目標を大幅上方修正
李一帆CEOは、「急成長を遂げる中国のスマートカー産業のおかげで、禾賽科技は世界最速かつ最大規模で車両に搭載するチャンスに恵まれ、製品の技術革新とコスト削減のペースアップにつながっている」とコメントした。
また、2025年の出荷目標を従来の100万台から120万~150万台へ大幅に引き上げ、売上高も30億~35億元(約620億~720億円)と予想。GAAPベースでの純利益も2億~3億5000万元(約40億~70億円)に達する見込みだ。
*1元=約21円、1ドル=約149円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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