ニュースアプリ「趣頭条」が2019年第3Q業績を発表 DAUは前年比ほぼ倍の4210万人、損失も縮小

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ニュースアプリ運営会社「趣頭条(Qutoutiao)」が2019年第3四半期の業績を発表した。売上高は前年同期比44%増の14億700万元(約230億円)、株主に帰属する当期純損失は、市場予測の21億7200万元(約330億円)を下回る8億9000万元(約140億円)だった。昨年同期の純損失10億5510万元(約160億円)と比べ、損失は縮小している。

業績発表後、趣頭条の取引前株価は1.01%下落し、12月3日の時点で同社の年間株価騰落率は53.07%に達している。

ユーザーデータに目を向けると、当期の平均月間アクティブユーザー数(MAU)は前年同期比105.3%増、前期比12.6%増の1億3400万人だった。平均デイリーアクティブユーザー数(DAU)は前年同期比97.7%増、前期比8.79%増の4210万人だった。デイリーアクティブユーザーによる平均利用時間は1日61.3分で、第二四半期の60分を若干上回った。

趣頭条はソーシャルEC「拼多多(Pinduoduo)」、短編動画サービス「快手(Kuaishou、海外版はKwai)」と同様、地方都市市場に特化した企業だ。この市場はこれまで驚異的な成長率を遂げてきたものの、今後同レベルの成長を続けていくことは難しい。中国の調査会社QuestMobileのデータによれば、三級都市以下をはじめとする新興市場のユーザー規模は6億1400万人に達し、成長はほぼ停滞している。とはいえ、ユーザーの使用時間の長さがもたらすメリットは健在だ。今年9月の新興市場のユーザーの月平均利用時間は、前年同期比8%増の134分に達している。

同社は、新興市場のユーザーが依然として大きな消費ポテンシャルを秘めていると考える。今年の「双11」大セール期間中、同社のユーザーは前年比で10倍以上のGMV(流通総額)をEコマースプラットフォームにもたらした。

創業から3年あまりの趣頭条は、長編コンテンツ、短編コンテンツおよびインタラクティブ性の高いコンテンツという三つの事業路線を徐々に形成してきた。

長編コンテンツに関しては、同社の新製品であるウェブ小説アプリ「米読極速版(Midu Novels Lite)」に特に言及されており、5月のローンチから4カ月でDAUは300万人に達し、企業全体で最も成長の速い製品となっている。同アプリおよび「米読小説(Midu Novels)」は10月の資金調達完了以降、コンテンツ拡充や提携作家の拡大、マーケティングなどへの投資を続けており、「年内にDAU1000万人を実現し、中国最大のウェブ小説プラットフォームを目指す」という。

短編コンテンツについては、同社プラットフォーム上の短編動画の1日平均PVは2億2700万回に達し、1人あたり平均PVは今年第1四半期と比べ5.37%増加した。また短編動画の1日平均制作件数は4万2500件、1日あたりの平均インタラクション回数は延べ700万回と、今年第1四半期の2倍となった。

ゲームやライブ配信をはじめとするインタラクティブ性の強いコンテンツに関し、同社は
まだ試験段階にある。自社開発したミニゲーム「趣植菜」のDAUは500万人を突破し、アクティブユーザーの翌日残存率は8割に達している。アプリ内でのミニゲームの普及率も3割に達しており、ゲームユーザーの利用時間はユーザー全体の平均利用時間の3分の1に迫った。

地方都市市場を狙う他の企業と同様、趣頭条も当局による規制リスクに十分に注意する必要がある。中国の国営メディア新華社は今年5月、趣頭条がニュースとしての資質に欠けると名指しで非難し、5月中旬にAppleのアプリストアから一時的に削除される事態を招いた。また7月中旬には、米読も全国「掃黄打非(ポルノ・違法コンテンツ撲滅運動)」弁公室の指導により、3カ月の営業停止・改善命令を受けている。

とはいえ、この第3四半期(8月下旬)には国家インターネット情報弁公室より「インターネットニュース情報サービス許可証」を正式に取得しており、上海初の民営モバイルコンテンツアグリゲーションプラットフォームとなっている。

今年の第4四半期の売上高は16億~16億2000万元(約246億~249億円)となる予想。
(翻訳・神部明果)

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